◉名称、化学構造
名称:ジクロフェナクナトリウム
◉代表的な製剤
ボルタレン錠25mg
ボルタレンSRカプセル37.5mg
ナボールSRカプセル37.5
◉分類
鎮痛・抗炎症剤
◉効能・効果
【ボルタレン錠25mg】
- 下記の疾患ならびに症状の鎮痛・消炎
関節リウマチ、変形性関節症、変形性脊椎症、腰痛症、腱鞘炎、頸肩腕症候群、神経痛、後陣痛、骨盤内炎症、月経困難症、膀胱炎、前眼部炎症、歯痛 - 手術ならびに抜歯後の鎮痛・消炎
- 下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
【ボルタレンSRカプセル37.5mg】
- 下記の疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群
◉薬理作用
プロスタグランジン合成阻害作用により抗炎症、鎮痛及び解熱作用が現れると考えられている
◉使用する際の注意
- 消化性潰瘍、重篤な血液の異常のある患者、重篤な腎機能障害患者、重篤な肝機能障害のある患者、重篤な心機能障害のある患者、アスピリン喘息またはその既往歴のある患者には投与することができない(投与禁忌)
- 妊婦または妊娠している可能性のある女性は投与することができない(投与禁忌)
- インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症のある患者には投与することができない(投与禁忌)
- 過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等が現れることがあるため、高齢者、乳小児、消耗性疾患の患者において、投与後の状態に十分注意する
- 投与中、眠気、めまい、霧視を訴える患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作には従事させないように十分に注意する
- 重篤な肝機能障害が現れることがあるため、連用する場合には定期的に肝機能検査を行うことが望ましい
◉相互作用
- トリアムテレン(投与禁忌)
本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、トリアムテレンの腎機能障害を増大すると考えられる - CYP2C9阻害する薬剤
本剤の代謝が阻害される - アスピリン、NSAID、副腎皮質ステロイド性薬
消化器系の副作用が現れやすくなる - 降圧剤(β受容体遮断薬、ACE阻害薬、ARBなど)
本剤の腎のプロスタグランジン合成阻害作用により、降圧作用が減弱する - 腎消失型薬物(炭酸リチウム、メトトレキサートなど)
本剤の腎のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎消失型薬物の腎クリアランスが低下する - 利尿剤(チアジド系利尿薬、ループ利尿薬)
本剤の腎のプロスタグランジン合成阻害作用により、これらの利尿効果を減弱する - カリウム保持性利尿薬
プロスタグランジン産生が抑制されることで、利尿作用の減弱、カリウム値の上昇が起こることがある - 抗凝固剤および抗血小板薬
本剤の血小板凝集阻害作用によりこれらの薬剤の作用により出血の危険性が増大する - シクロスポリン
腎障害が増大する、高カリウム血症が現れることがある - SSRI(フルボキサミン、パロキセチンなど)
出血傾向が現れやすくなる - コレスチラミン
コレスチラミンは陰イオン交換樹脂であり、酸性薬物と結合して吸収を遅延・抑制されるため、本剤の血中濃度が低下することがある - ドロスピレノン・エチニルエストラジオール
高カリウム血症の副作用が相互に増強される
◉主な副作用
◉主な副作用
食欲不振、吐き気、嘔吐、胃痛などが報告されている。
◉重大な副作用[初期症状]
・ショック、アナフィラキシー
[呼吸困難、意識障害、舌や唇・喉の腫れ]
・出血性ショックまた穿孔を伴う消化管潰瘍、消化管の狭窄・閉塞
[吐き気、腹痛、吐血、下血(黒色便)]
・中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症
[発熱、皮膚の発疹・水疱、目の充血や唇・口内のあれ]
・急性腎障害、ネフローゼ症候群
[尿量減少、むくみ、全身倦怠感]
・重症喘息発作(アスピリン喘息)
[呼吸困難、息をすると喉がヒューヒュー鳴る]
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