第96回薬剤師国家試験 問126(改)

第96回薬剤師国家試験 問126(改) 抗うつ薬に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。 1 トラゾドンは、セロトニン再取り込み阻害作用とセロトニン5-HT1受容体刺激作用をもつ。 2 ミアンセリンは、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用とセロトニン5-HT2A受容体刺激作用をもつ。 3 マプロチリンは、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用をもつが、セロトニン再取り込み阻害作用はほとんどない。 4 ミルナシプランは、セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害する。 5 パロキセチンは、ノルアドレナリン神経終末の自己受容体を遮断し、ノルアドレナリン遊離を促進する。               解答 2、5 解説 1 正しい トラゾドンは、セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン神経機能を亢進させる。また、本剤の活性代謝物(m−クロロフェニルピペラジン)は5−HT1受容体部分刺激作用、5−HT2A受容体遮断作用を有する。 2 誤っている ミアンセリンは、アドレナリンα2受容体を遮断し、神経シナプス間隙のノルアドレナリンの遊離を促進する。 3 正しい 4 正しい 5 誤っている パロキセチンは、選択的にセロトニンの再取り込みを阻害し、シナプス間隙のセロトニン濃度を上昇させる。また、反復経口投与により、セロトニン5−HT2C受容体のダウンレギュレーションを起こすことにより抗うつ作用及び抗不安作用を示す。 → Read More

第94回薬剤師国家試験 問126(改)

第94回薬剤師国家試験 問126(改) 抗うつ薬及び抗そう薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 クロミプラミンは、抗コリン作用の弱い抗うつ薬である。 2 ミアンセリンは、シナプス前アドレナリンα2受容体遮断により、ノルアドレナリン遊離を増加させる。 3 パロキセチンは、セロトニン再取り込みを阻害し、神経終末のセロトニン自己受容体のダウンレギュレーションを引き起こす。 4 炭酸リチウムは、イノシトール−1−リン酸分解酵素を阻害し、ホスファチジルイノシトール代謝回転を亢進させる。 5 ミルナシプランは、ドパミントランスポーターに選択的に作用してドパミン再取り込みを阻害する。                 解答 2、3 解説 1 誤 クロミプラミンは、三環系抗うつ薬であり、抗コリン作用の強い抗うつ薬である。 2 正 ミアンセリンは、ノルアドレナリン作動性神経のシナプス前膜に存在するα2受容体を遮断してノルアドレナリンの遊離を促進し、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度を上昇させることにより抗うつ作用を発現する。 3 正 パロキセチンは、選択的にセロトニンの再取り込みを阻害し、シナプス間隙のセロトニン濃度を上昇させるとともに神経終末のセロトニン自己受容体のダウンレギュレーションを引き起こすことにより抗うつ作用を発現する。 4 誤 炭酸リチウムの抗そう作用の作用機序として、ホスファチジルイノシトール(PI)代謝回転の抑制が関与していると考えられている。炭酸リチウムは、イノシトール−1−リン酸分解酵素を特異的に阻害することにより細胞内イノシトールを減少させ、PI代謝を抑制する。 5 誤 ミルナシプランは、セロトニン及びノルアドレナリンのトランスポーターに選択的に作用してセロトニン及びドパミンの再取り込みを阻害する。 → Read More

統合失調症治療薬

統合失調症治療薬 1 統合失調症  以前は「精神分裂病」といわれていたが、現在では「統合失調症」と名称が変更された。統合失調症は主として思春期から青年期に発症し、症状としては陽性症状(幻覚、妄想、自我障害、思考障害など)や陰性症状(感情鈍麻、思考・会話の貧困、自閉など)を呈することがある。 <疫学・好発年齢> ・生涯での有病率:約1% ・15〜35歳で初めて発症することが多い。 <病態生理>  陽性症状は、中脳辺縁系におけるドパミン経路の過剰活動により生じると考えられており、陰性症状は中脳皮質系におけるドパミン経路の活動抑制により生じると考えられている。 ドパミン経路の障害だけでは、説明できない現象も多いことから、ドパミンの他にセロトニンやグルタミン酸なども関与していると考えられている。 <症状・所見> ・陽性症状:幻覚、妄想、自我障害、思考障害 など ・陰性症状:感情鈍麻、思考・会話の貧困、自閉 など ・認知機能障害:注意障害、遂行機能障害 など <検査・診断> ・DSM–5、ICD–11が用いられる。 DSM–5(精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版):精神疾患を分類分けしたもの ICD–11(国際疾病分類 第11回改定版):全疾患を分類したもの <治療・管理> できるだけ早い段階から薬物療法を開始する。 社会的予後改善を最終目的とする。 2 統合失調症治療薬 1)抗精神病薬の薬理作用  統合失調症の治療には、抗精神病薬が用いられる。抗精神病薬には、定型抗精神病薬(フェノチアジン系薬、ブチロフェノン系薬、ベンズアミド系薬)や非定型抗精神病薬(セロトニン・ドパミンアンタゴニスト:SDA、多元受容体作用抗精神病薬:MARTA、ドパミン受容体部分作動薬:DPAなど)があり、異なる薬理作用を示す。 ●ドパミンD2受容体遮断作用 ・中脳辺縁系のドパミン経路の過剰活動を抑制し、陽性症状を抑制する。 ・黒質線条体のドペミン経路を抑制し、錐体外路症状を誘発する。 ・漏斗下垂体系のドパミン経路を抑制し、高プロラクチン血症を誘発する。 ・延髄の化学受容器引き金帯(CTZ)のドパミン受容体を遮断し、制吐作用を示す。 ●セロトニン5-HT2A受容体遮断作用 ・中脳皮質系、黒質線条体の抑制を解除し、陰性症状、認知機能障害改善すると共に錐体外路症状を改善する。 ・体重増加、高血糖を誘発する。 ●ヒスタミンH1受容体遮断作用 ・鎮静作用が現れる。 ・体重増加、高血糖を誘発する。 ●アドレナリンα1受容体遮断作用 ・鎮静作用が現れる。 ・起立性低血圧、めまいを誘発する。 ●ムスカリン受容体遮断作用 ・口渇、便秘、排尿障害を誘発する。 ・認知機能障害を誘発する。 2)フェノチアジン誘導体 ①→ Read More