日別アーカイブ: 2019年7月3日

ビラノア錠20mg(ビラスチン)

名称

商品名:ビラノア
一般名:ビラスチン


剤形、規格

錠剤:20mg


構造


薬効分類

ヒスタミンH1受容体拮抗薬(第二世代)


薬効薬理・作用機序

ビラスチンは、ヒスタミンH1受容体拮抗作用を示すことにより、抗アレルギー作用を示す。

下田武

抗アレルギー薬の作用機序を把握するために、アレルギー発生の機序(下図)を把握しておきましょう。本剤は、下図における⑥の部分で、ヒスタミンH1受容体を遮断することにより抗アレルギー作用を示します。

①:アレルギーの原因物質が樹状細胞、マクロファージ(抗原提示細胞)に取り込まれる。

②:抗原提示細胞が、ヘルパーT(Th)細胞へ抗原を提示する。

③:活性化されたヘルパーT細胞がTh2細胞に分化する。

④:Th2細胞は、IL−4、IL−5、IL−13などを産生する。
IL−4、IL−13は形質細胞に働き、IgEの産生を促し、IL−5は好酸球に働き、好酸球を活性化する。

⑤:形質細胞により産生されたIgEがマスト細胞に結合する。マスト細胞表面にあるIgEにより抗原が架橋形成しマスト細胞が活性化され、アレルギー反応を促進する物質(ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンA2など)を放出する。

⑥:ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンA2などが受容体を介して、アレルギー反応を引き起こす。


適応症、服用方法、使用方法

アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

通常、 成人には1回20mgを1日1回空腹時に経口投与する。

下田武

本剤は、食事により吸収性が変化します。
空腹時及び食後(高脂肪食)に本剤を20mgを単回投与したとき、空腹時に比べ食後投与時のCmax及びAUCはそれぞれ約60%及び約40%低下したというデータがあります。
上記のことから、服薬指導時には食後に服用しないように説明する必要があります。
また、「効いている気がしない」という患者がいる場合には食後に投与していないか確認するようにしましょう。


使用できない場合(禁忌)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者


使用するにあたっての注意事項

・季節性の鼻炎等に対して、好発季節の直前より本剤を投与しているか。
(季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。)


副作用

<主な副作用>
眠気、頭痛、口渇、下痢、腹痛、鼻乾燥、肝機能検査異常など

下田武

眠気が1%未満と抗アレルギー薬の中でも眠気の頻度がかなり低くなっています。


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
・エリスロマイシン、ジルチアゼム
上記の薬のP糖タンパク質の阻害により本剤の吸収率が増加することがある。

下田武

薬物相互作用(外国人データ)において、本剤をグレープフルーツジュースで投与した場合、本剤のCmax、AUCがそれぞれ約0.6倍及び約0.7倍に低下したとのデータが報告されています。
この相互作用の機序については、グレープフルーツジュースによるビラスチンの消化管からの吸収阻害に起因すると推察されたが機序は不明であるとされています。

グレープフルーツジュースの相互作用では、小腸の酵素阻害によるものが有名ですが、本剤とグレープフルーツジュースとの相互作用は小腸の酵素阻害によるものではないので注意しておきましょう。


本剤の特徴

・中枢のH1受容体をほとんど遮断しないため、眠気がかなり低い薬剤となっている。
・空腹時に服用しないと、血中濃度の低下が認められる。
・臨床成績よりアレグラ(一般名:フェキソフェナジン)と同程度のアレルギー性鼻炎改善作用を示す。
・通年性アレルギー性鼻炎よりも蕁麻疹により効果的に作用する。


(注意事項)
作成日時の時点における医薬品情報を使用して作成しております。
医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。

 

アレグラ錠30mg、60mg/アレグラOD錠60mg(フェキソフェナジン塩酸塩)

名称

商品名:アレグラ
一般名:フェキソフェナジン塩酸塩


剤形、規格

錠:30mg、60mg
OD錠:60mg


構造


薬効薬理・作用機序

フェキソフェナジン塩酸塩は、主な作用として選択的ヒスタミンH受容体拮抗作用を有し、さらに炎症性サイトカイン産生抑制作用、好酸球遊走抑制作用及びケミカルメディエーター遊離抑制作用を有する薬剤である。本剤はアレルギー発生の機序の多くの部分に関与して抗アレルギー作用を示す。

<アレルギー発生の機序>

①アレルギーの原因物質が樹状細胞、マクロファージ(抗原提示細胞)に取り込まれる。

②抗原提示細胞が、ヘルパーT(Th)細胞へ抗原を提示する。

③活性化されたヘルパーT細胞がTh1細胞あるいはTh2細胞に分化する。

Th2細胞は、IL−4、IL−5、IL−13などを産生する。IL−4、IL−13は形質細胞に働き、IgEの産生を促し、IL−5は好酸球に働き、好酸球を活性化する。

⑤形質細胞により産生されたIgEがマスト細胞に結合する。マスト細胞表面にあるIgEにより抗原が架橋形成しマスト細胞が活性化され、アレルギー反応を促進する物質(ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンA2など)を放出する。

⑥ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンA2などが受容体を介して、アレルギー反応を引き起こす。


適応症、服用方法、使用方法

アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、 皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒

・成人、小児(12歳以上)
通常、1回60mgを1日2回
・小児(7歳以上12歳未満)
通常、1回30mgを1日2回

下田武

臨床成績より本剤は蕁麻疹による自覚症状を大幅に改善するというデータが得られています。また、季節性のアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎による自覚症状を軽度に改善するというデータが得られています。

本剤を使用しても季節性のアレルギー性鼻炎の症状が残る場合には、点鼻薬を併用するなど多剤を併用することを検討するようにしましょう。


使用できない場合(禁忌)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者


使用するにあたっての注意事項

・季節性の鼻炎等に対して、好発季節を考えて、その直前から投与を開始しているか。
(好発季節の直前から使用することにより、症状が軽くなる。)


副作用

<主な副作用>
頭痛、眠気、疲労、倦怠感、めまい、不眠、神経過敏、嘔気、嘔吐、口渇、腹痛、下痢、消化不良、そう痒、肝機能検査値異常など

下田武

国内外の臨床試験において、主な副作用は頭痛(4.6%)、眠気(2.3%)、嘔気(1.2%)等であったとされています。また、使用成績調査及び特別調査においては、主な副作用は眠気(0.5%)、腹痛(約0.2%)、めまい、倦怠感(各0.1%)とされています。

<重大な副作用>
・ショック、アナフィラキシー
・肝機能障害、黄疸
・無顆粒球症、白血球減少、好中球減少


体内動態

・脳内への移行
P糖タンパク質の基質であり、血液脳関門に存在するP糖タンパク質により脳内移行が妨げられていると考えられている。

・食事の影響
空腹時に比べ食後(高脂肪食)投与時のAUC、Cmaxが低下することが報告されている。


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
・制酸剤(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム製剤)
本剤の作用が減弱することがある。

・エリスロマイシン
エリスロマイシンのP糖タンパク質阻害により本剤のクリアランスの低下および吸収率の増加が起こり、本剤の血中濃度が上昇することがある。


本剤の特徴

フェキソフェナジンはP糖タンパク質の基質であり、血液脳関門透過性が低く、中枢抑制作用が現れにくいことから、インペアード・パフォーマンスをきたしにくいとされています。

<インペアード・パフォーマンス>
眠気を自覚しているかどうかを問わず、集中力や判断力、作業効率が低下すること


(注意事項)
作成日時の時点における医薬品情報を使用して作成しております。
医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。

ロキソニン錠60mg/ロキソニン細粒10%(ロキソプロフェンナトリウム水和物)

名称

商品名:ロキソニン
一般名:ロキソプロフェンナトリウム水和物


剤形、規格

錠:60mg
細粒:10%


構造


薬効分類

非ステロイド性抗炎症薬(プロピオン酸系)


薬効薬理・作用機序

プロスタグランジンは、ブラジキニンなどの発痛物質の疼痛閾値を低下させるとともに、局所での血流増加作用や血管透過性の亢進、白血球の浸潤増加など、炎症を増強させる作用を有する。
ロキソプロフェンナトリウム水和物は、消化管から吸収されたのち活性代謝物に変換された後、シクロオキシゲナーゼを阻害することにより、プロスタグランジンの生成を抑制し、プロスタグランジンによる上記の作用を抑制することにより、鎮痛、抗炎症作用を示す。

また、発熱には視床下部にある体温調節中枢におけるPGE2の合成の増加が関与しており、本剤の活性代謝物は発熱時に産生されるPGE2の合成を阻害することで、解熱作用をもたらす。


適応症、服用方法、使用方法

①下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛
手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎
通常、成人には1回60mg、1日3回経口投与する。
頓用の場合は、1回60〜120mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

③下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
通常、成人には1回60mgを頓用する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
ただし、原則として1日2回までとし、1日最大180mgを限度とする。
また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。


使用できない場合(禁忌)

・消化性潰瘍のある患者
[プロスタグランジン生合成抑制により、胃の血流量が減少し消化性潰瘍が悪化することがある。]
・重篤な血液の異常のある患者
[血小板障害を起こし、悪化するおそれがある。]
・重篤な肝障害のある患者
[副作用として肝障害が報告されており、悪化するおそれがある。]
・重篤な腎障害のある患者
[急性腎障害、ネフローゼ症候群等の副作用を発現することがある。]
・重篤な心機能不全のある患者
[腎のプロスタグランジン生合成抑制により浮腫、循環体液量の増加が起こり、心臓の仕事量が増加するため症状を悪化させるおそれがある。]
・本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
・アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)またはその既往歴のある患者
[アスピリン喘息発作を誘発することがある。]
・妊娠末期の婦人


使用するにあたっての注意事項

・消炎鎮痛剤による治療は原因療法でなく対症療法であることを留意すること。
(慢性疾患に使用する場合には、薬物療法以外の療法も考慮する。また、急性疾患に使用する場合には、原因療法があればそれを行い、漫然と投与しないこと)

・感染症を不顕性化するおそれがある。
(感染による炎症に対して用いる場合には、適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行う)


副作用

<主な副作用>
発疹、腹痛、胃部不快感、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、眠気、肝機能検査異常、浮腫など

下田武

再審査終了時及び効能追加時のデータとして、最も頻度が高い副作用は消化器症状(2.25%)であると報告されています。

<重大な副作用>
・ショック、アナフィラキシー
・無顆粒球症、溶血性貧血、白血球減少、血小板減少
・中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
・急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎
・うっ血性心不全
・間質性肺炎
・消化管出血
・消化管穿孔
・小腸・大腸の狭窄・閉塞
・肝機能障害、黄疸
・喘息発作
・無菌性髄膜炎
・横紋筋融解症


体内動態

・最高血中濃度到達時間:Tmax
ロキソプロフェン:約0.5時間
trans−OH体:約0.8時間

・半減期:t1/2
ロキソプロフェン:約1.2時間
trans−OH体:約1.3時間


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
・クマリン系抗凝血薬(ワルファリン)
本剤のプロスタグランジン生成抑制作用により血小板凝集が抑制され、血液凝固能の低下が相加される。
・第Ⅹa因子阻害剤
抗血栓作用が増強するおそれがある。
・SU剤
血漿タンパク置換により血糖降下作用が増強するおそれがある。
・ニューキノロン系抗菌剤
ニューキノロン系抗菌剤のGABAの受容体への結合阻害作用を増強させ、痙攣誘発するおそれがある。
・メトトレキサート、リチウム製剤
機序は不明であるが、本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成抑制により、これらの薬物の腎排泄が減少し血中濃度が上昇すると考えられている。
・チアジド系利尿薬
本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成抑制により、水、ナトリウムの排泄を減少させる。それによりチアジド系利用薬による利尿、降圧作用が減弱するおそれがある。
・降圧剤(ACE阻害剤、アンギオテンシン受容体拮抗剤等)
本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成抑制により、これらの薬剤の降圧効果を減弱するとともに腎機能を悪化させると考えられる。


本剤の特徴

・鎮痛作用が強い。
・腎機能障害患者、血圧が高い患者には、投与する際注意する必要がある。
・最高血中濃度到達時間、半減期が短いため、早く効果が発現し、すぐに効果が減弱する。
・プロドラッグであり、副作用として胃腸障害を起こしにくい。


(注意事項)
作成日時の時点における医薬品情報を使用して作成しております。
医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。

ルネスタ錠1mg、2mg、3mg(エスゾピクロン)

名称

商品名:ルネスタ
一般名:エスゾピクロン


剤形、規格

錠:1mg、2mg、3mg


構造

下田武

エスゾピクロンは、ラセミ体であるゾピクロンの一方のエナンチオマー(S−エナンチオマー)となっており、ゾピクロンに比べ強い薬理活性を示します。


薬効分類

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬


薬効薬理・作用機序

エスゾピクロンは、ベンゾジアゼピン骨格を有していないが、GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAによるクロライドチャネル透過性亢進作用を増強させる。

<GABAA受容体について>


適応症、服用方法、使用方法

・不眠症
通常、成人には1回2mgを、高齢者には1回1mgを就寝前に経口投与する。
なお、症状により適宜増減するが、成人では1回3mg、高齢者では1回2mgを超えないこととする。

下田武

高度の肝機能障害または高度の腎機能障害のある患者では、1回1mgを投与することとし、患者の状態を観察しながら慎重に投与することとされています。

また、食事と同時、食直後に投与すると、血中濃度が低下することがあるため、食事と同時、食直後の服用を避けることとされています。


警告

本剤の服用後に、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)があらわれることがある。
また、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがあるので注意すること。


使用できない場合(禁忌)

・本剤の成分またはゾピクロンに対し過敏症の既往歴のある患者
・重症筋無力症の患者
[筋弛緩作用により症状を悪化させるおそれがある。]
・急性狭隅角緑内障の患者
[眼圧が上昇し、症状を悪化させるおそれがある。]


使用するにあたっての注意事項

・自動車の運転、高所での作業等を行う予定はあるか。
(注意力、集中力、反射機能等の低下が起こることがある。)

・漫然とした継続投与を行なっていないか。
(連用により薬物依存を生じることがあるため、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。)


副作用

<主な副作用>
傾眠、頭痛、浮動性めまい、味覚異常、口渇など

<重大な副作用>
・ショック、アナフィラキシー様症状
・依存性
・呼吸抑制
・肝機能障害
・精神症状、意識障害
・一過性前向性健忘、もうろう状態

下田武

本剤は副作用として、依存性を示すことから、漫然とした継続投与をしないこととされています。また、継続投与する場合には、治療上の必要性を十分に検討することとされています。


体内動態

代謝:主にCYP3A4で代謝される
最高血中濃度到達時間:0.5〜2時間
半減期:約5時間


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
・筋弛緩薬
(スキサメトニウム塩化物塩酸塩水和物、パンクロニウム臭化物 等)
・中枢抑制剤
(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体 等)
抗痙攣作用及び中枢抑制作用が増強されることがある。

・アルコール
中枢抑制作用が現れやすくなる。

・麻酔時
呼吸抑制が現れることがある。

・CYP3A4誘導剤、CYP3A4阻害剤
本剤の血中濃度が変動することがある。

下田武

本剤は抗けいれん作用、中枢抑制作用を有することから、それらの作用を有する薬物と相互作用を起こすことがあります。また、主にCYP3A4で代謝されることから、CYP3A4誘導薬、阻害薬と相互作用を起こすことがあります。


(注意事項)
作成日時の時点における医薬品情報を使用して作成しております。
医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。

ライゾデグ配合注フレックスタッチ

名称

商品名:ライゾデグ配合注フレックスタッチ
インスリン アスパルト /インスリン デグルデク配合 溶解インスリンアナログ注射液

下田武

本剤は、超速効型インスリンであるインスリンアスパルトと持効型インスリンであるインスリンデグルデクが3:7で配合されたインスリンアナログ注射液です。配合されている両インスリンは無色透明であることから、本剤は無色透明な製剤となっており、使用する際、振る必要はありません


薬効分類

配合溶解型インスリン


薬効薬理・作用機序

インスリン アスパルトはインスリンアナログであり、皮下に投与すると速やかに血液中に移行し、インスリンレセプターに結合することにより短時間で血糖降下作用を示す。

下田武

インスリンアスパルトは、インスリンB鎖の28位のプロリン残基をアスパラギン酸に置換しているため、二量体を形成しにくいという特徴を有しています。また、製剤中に含まれる亜鉛イオン、フェノール等の作用により弱く結合した六量体を形成しているため、体内で速やかに二量体、単量体へとなりやすいという特徴を有しています。

インスリン デグルデクはインスリンアナログであり、皮下に投与すると緩徐に血液中に移行し、インスリンレセプターに結合することにより穏やかな血糖降下作用を示す。

下田武

<持続化の概要>
インスリン デグルデクは、製剤中では、可溶性のダイヘキサマー(2つの六量体)として存在しているが、投与後、皮下組織において会合して、可溶性で安定なマルチヘキサマー(多くの六量体の複合体)を形成し、一時的に注射部位皮下組織にとどまります。

その後、インスリン デグルデクは、マルチヘキサマーから緩徐にかつ持続的に血中に吸収されることにより長時間血糖降下作用を示すとされています。

また、脂肪酸側鎖を介してアルブミンと結合することにより作用の持続化を示すとされています。

<血糖降下作用の概要>
・筋肉・脂肪組織における糖の取り込み促進
・肝臓における糖新生の抑制
・肝臓・筋肉におけるグリコーゲン合成の促進
・肝臓における解糖系の促進
・脂肪組織における脂肪合成促進


適応症、服用方法、使用方法

・インスリン療法が適応となる糖尿病
<成人>
通常、初期は1日1回4〜20単位を1日1〜2回皮下注射する。
1日1回投与のときは、主たる食事の直前に投与し、毎日一定とする。
1日2回投与のときは、朝食直前と夕食直前に投与する。
維持量は通常1日4〜80単位である。

下田武

本剤は、作用発現が速いため、食事の直前に投与することとされています。
糖尿病性昏睡、急性感染症、手術等緊急の場合は、本剤のみで処置することは適当でなく、速効型インスリン製剤を併用することとされています。
中間型又は持効型インスリン製剤あるいは混合製剤によるインスリン治療から本剤に変更する場合、患者の状態に応じて用量を決定するなど、慎重に本剤の投与を開始することされています。
インスリン以外の他の糖尿病用薬から本剤への切り替える場合又はインスリン以外の他の糖尿病用薬と併用する場合には、「本剤を低用量より開始する」等を検討する必要があります。


使用できない場合(禁忌)

・低血糖症状を呈している患者
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者


副作用

<主な副作用>
糖尿病網膜症、体重増加、注射部位反応、頭痛など

<重大な副作用>
・低血糖
・アナフィラキシーショック


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
・糖尿病用薬
(ビグアナイド系薬剤、SU剤、α−グルコシダーゼ阻害薬、DPPー4阻害薬、GLP−1受容体作動薬
など)
・糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬
(β−遮断薬、モノアミン酸化酵素阻害剤、ベザフィブラート、サルファ剤、シベンゾリンコハク酸塩、ジソピラミド など)

・糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬
(チアジド系利尿薬、アドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、経口避妊薬、ニコチン酸、濃グリセリン、イソニアジド、フェニトイン など)


(注意事項)
作成日時の時点における医薬品情報を使用して作成しております。
医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。

カロナール錠20%、50%/カロナール細粒200mg、300mg、500mg(アセトアミノフェン)

名称

商品名:カロナール
一般名:アセトアミノフェン


剤形、規格

細粒:20%、50%
錠:200mg、300mg、500mg


構造


薬効分類

解熱・鎮痛薬


薬効薬理・作用機序

アセトアミノフェンは、視床下部の体温調節中枢に作用して血管を拡張させることにより解熱作用を示し、視床と大脳皮質の痛覚閾値を高めて鎮痛作用を示すと考えられている。なお、アセトアミノフェンは非ステロイド性抗炎症薬と異なり、シクロオキシゲナーゼ阻害作用はほとんど示さないとされている。

下田武

本剤は、非ステロイド性抗炎症薬と異なり消炎作用をほとんど示さないとされています。
また、腎臓におけるプロスタグランジン生成抑制をほとんど起こさないことから、腎臓への負担が少なく、血圧に対する影響も少ないとされています。


適応症、服用方法、使用方法

①下記の疾患並びに症状の鎮痛
頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分娩後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形性関節症
通常、成人には1回300〜1000mgを経口投与し、投与間隔は4〜6時間以上とする。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として4000mgを限度とする。
また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
通常、成人には1回300〜500mgを頓用する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
ただし、原則として1日2回までとし、1日最大1500mgを限度とする。
また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

③小児科領域における解熱・鎮痛
通常、乳児、幼児及び小児には、体重1kgあたり1回10〜15mgを経口投与し、投与間隔は4〜6時間以上とする。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として60mg/kgを限度とする。
ただし、成人の用量を超えない。
また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。


警告

(1)本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあることに注意し、1日総量1500mgを超す高用量で長期投与する場合には、定期的に肝機能等を確認するなど慎重に投与すること。
(2)本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること。

下田武

PL顆粒、PA錠、トラムセット配合錠にはアセトアミノフェンが配合されているため、本剤を投与する際には、PL顆粒、PA錠、トラムセット配合錠が処方されていないか確認する必要があります。


使用できない場合(禁忌)

・消化性潰瘍のある患者
[症状が悪化するおそれがある]
・重篤な血液の異常のある患者
[重篤な転帰をとるおそれがある]
・重篤な肝障害のある患者
[重篤な転帰をとるおそれがある]
・重篤な腎障害のある患者
[重篤な転帰をとるおそれがある]
・重篤な心機能不全のある患者
[循環系のバランスが損なわれ、心不全が増悪するおそれがある]
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・アスピリン喘息またはその既往歴のある患者
[アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられている]


使用するにあたっての注意事項

・過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等が現れていないか。
(消耗性疾患の患者で、過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等が認められることがある。)

・肝機能障害が発現していないか。
(1日1500mgを超す高用量で長期間投与する場合には、定期的に肝機能検査を行う必要がある。)

・感染症を誘発していないか。
(感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染症を合併している患者に対しては適切な抗菌剤を使用すること。)

・総合感冒薬等アセトアミノフェンを含有する製剤を併用していないか。
(アセトアミノフェンの過量投与により重篤な肝機能障害が現れることがある。)


副作用

<重大な副作用>
・ショック、アナフィラキシー
・中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症
・喘息発作の誘発
・劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
・顆粒球減少症
・間質性肺炎
・間質性腎炎、急性腎不全


体内動態

最高血中濃度到達時間Tmax:約0.5時間
半減期t1/2:約2.5時間

<代謝経路>
治療用量では薬物の 90〜100%が主として肝臓でグルクロン酸(約 60%)、硫酸(約 35%)又はシステイン (約3%)と抱合する。


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
・リチウム製剤
非ステロイド性抗炎症薬でプロスタグランジン生成が抑制され、腎血流量が低下し、リチウム製剤が蓄積しやくすなるとの報告がある。

・チアジド系利尿剤
非ステロイド性抗炎症薬でプロスタグランジン生成が抑制され、水、塩類貯留が生じ、チアジド系利尿薬の作用が減弱するとの報告がある。

・アルコール
アルコール多量常用者で、アセトアミノフェンを服用したところ、肝不全を起こしたとの報告がある。

・クマリン系抗凝血剤
タンパク置換により、抗凝固薬の遊離型が増え、抗凝固薬の作用が増強することがある。

・カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピシン
上記の薬剤を長期投与することにより、肝代謝酵素が誘導されることがある。
それにより、アセトアミノフェンの代謝が促進され、肝毒性を持つN−アセチル−p−ベンゾキノンイミンを生成しやすくなり、肝障害を起こすことがある。

・抗生物質、抗菌剤
過度の体温低下を起こす頻度が高くなる。


本剤の特徴

・解熱鎮痛薬として頻用されている。
・非ステロイド性抗炎症薬と異なり、抗炎症作用は示さない。
・非ステロイド性抗炎症薬に比べ、腎臓への影響、血圧への影響が少ない。
・総合感冒薬や鎮痛薬に配合されていることがあるので、過量投与に注意する必要がある。
・アルコール摂取しているひとで、肝障害が起こりやすい。


(注意事項)
作成日時の時点における医薬品情報を使用して作成しております。
医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。

ワイパックス錠0.5mg、1.0mg(ロラゼパム)

名称

商品名:ワイパックス
一般名:ロラゼパム


剤形、規格

錠:0.5mg、1.0mg


構造


薬効分類

ベンゾジアゼピン系抗不安薬


薬効薬理・作用機序

ロラゼパムは、GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAによるクロライドチャネル透過性亢進作用を増強させる。

下田武

本剤はベンゾジアゼピン系薬に分類されており、抗不安作用や馴化(じゅんか)作用を示すため、不安、抑うつ、心身症に用いられます。
<参考:馴化作用(馴化作用)>
ある刺激がくり返し提示されることにより、その刺激に対する反応が徐々に見られなくなっていく現象のこと


適応症、服用方法、使用方法

神経症における不安・緊張・抑うつ
心身症(自律神経失調症、心臓神経症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ
通常、成人1日1〜3mgを2〜3回に分けて経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

下田武

臨床成績より下記に示すデータが得られています。
・神経症に対する有効率は52.7%
・自律神経失調症、心臓神経症に対する有効率は59.3%


使用できない場合(禁忌)

・急性狭隅角緑内障のある患者
[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化することがある]
・重症無力症のある患者
[筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある]


使用するにあたっての注意事項

・自動車の運転、高所での作業等を行う予定はあるか。
(注意力、集中力、反射機能等の低下が起こることがある。)

・漫然と長期間継続投与していないか。
(連用により薬物依存を生じることがあるため、漫然とした継続投与をさけること。本剤を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。)


副作用

<主な副作用>
眠気、ふらつき、立ちくらみ、頭重、頭痛、不眠、動悸、悪心、下痢、便秘、食欲不振、口渇、胃部不快感など

<重大な副作用>
・依存性
・刺激興奮、錯乱
・呼吸抑制(類薬)


体内動態

代謝:グルクロン酸抱合を受け体内から消失する。
最高血中濃度到達時間:約2時間
半減期:12時間


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
・中枢神経抑制剤、アルコール、モノアミン酸化酵素阻害剤
眠気、注意力、集中力、反射運動能力等の低下を増強することがある。

・マプロチリン塩酸塩
眠気、注意力、集中力、反射運動能力等の低下を増強することがある。
併用中本剤を急激に減量又は中止すると痙攣発作が現れることがある。

・ダントロレンナトリウム水和物
筋弛緩作用が増強することがある。

・プレガバリン
認知機能障害及び粗大運動機能障害に対して本剤が相加的に作用するおそれがある。

下田武

本剤は中枢抑制作用を有しているため、中枢抑制作用を有する薬剤と併用すると中枢抑制作用が発現しやすくなります。また、本剤は筋弛緩作用を有しているため、筋弛緩作用を示す薬剤と併用すると筋弛緩作用が増強されることがあります。


(注意事項)
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パキシル錠5mg、10mg、20mg(パロキセチン塩酸塩水和物)

名称

商品名:パキシル
一般名:パロキセチン塩酸塩水和物


剤形、規格

錠:5mg、10mg、20mg


構造


薬効分類

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)


薬効薬理・作用機序

パロキセチン塩酸塩は、選択的にセロトニン(5−HT)の取り込みを抑制し、シナプス間隙の5−HT濃度を上昇させる。パロキセチン塩酸塩を反復投与すると5−HT2C受容体のdown−regulationが誘発されることにより、抗うつ作用、抗不安作用を示すと考えられている。

①セロトニントランスポーターからのセロトニンの再取り込みを選択的に抑制する。
②セロトニンの濃度が増加することにより、5−HT2C受容体(刺激されることで抑うつが誘発される受容体)のdown−regulationが誘発される。

下田武

また、パロキセチンの抗不安作用、抗うつ作用については以下のように考えることができます(まだ明確になっていないため、あくまで仮説です)。

シナプス間隙にセロトニンが増加すると、5−HT1A受容体(刺激されることにより抗不安作用を示す受容体)が刺激され抗不安作用を示しますが、5−HT2C受容体(刺激されることで抑うつが誘発される受容体)が刺激されることでうつが誘発される。そのため、投与初期においては、気持ちが安定しないことがある。
ただ、本剤を反復投与すると、5−HT2C受容体のdown−regulationが誘発されるため、抗不安作用、抗うつ作用が現れる。


適応症、服用方法、使用方法

うつ病・うつ状態
通常、成人には1日1回夕食後、20〜40mgを経口投与する。
投与は1回10〜20mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。
なお、症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する

・パニック障害
通常、成人には1日1回夕食後、30mgを経口投与する。
投与は1回10mgより開始し、原則として1
週ごとに10mg/日ずつ増量する。
なお、症状により1日30mgを超えない範囲で適宜増減する。

・強迫性障害
通常、成人には1日1回夕食後、40mgを経口投与する。
投与は1回20mgより開始し、原則として
1週ごとに10mg/日ずつ増量する。
なお、症状により1日50mgを超えない範囲で適宜増減する。

・社会不安障害
通常、成人には1日1回夕食後、20mgを経口投与する。
投与は1回10mgより開始し、原則として
1週ごとに10mg/日ずつ増量する。
なお、症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する。

・外傷後ストレス障害
通常、成人には1日1回夕食後、20mgを経口投与する。
投与は1回10〜20mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。
なお、症状により
1日40mgを超えない範囲で適宜増減する。


警告

海外で実施した7〜18歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照試験において有効性が確認できなかったとの報告、また、自殺に関するリスクが増加するとの報告もあるので、本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。


使用できない場合(禁忌)

・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者
・ピモジドを投与中の患者


使用するにあたっての注意事項

・自動車の運転、高所での作業等を行う予定はあるか。
(注意力、集中力、反射機能等の低下が起こることがある。)

・不安、焦燥、興奮、パニック発作等が認められていないか。
(不安、焦燥、興奮、パニック発作等が認められることがある。また、それらの症状が認められた患者において、基礎疾患の悪化、自殺念慮等が報告されている。)

・若年成人に投与されていないか。
(若年成人において自殺行為のリスクが高くなることがある。)

・突然の中止及び急激な減量を行なっていないか。


副作用

<主な副作用>
倦怠感、傾眠、めまい、頭痛、不眠、嘔気、便秘、食欲不振、腹痛、口渇、嘔吐、下痢、肝機能検査値異常、性機能異常など

下田武

承認時の臨床試験において、主な副作用は傾眠(23.6%)、嘔気(18.8%)、めまい(12.8%)、頭痛(9.3%)、肝機能検査異常(8.4%)、便秘(7.9%)とされています。

<重大な副作用>
・セロトニン症候群
・悪性症候群
・錯乱、幻覚、せん妄、痙攣
・中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑
・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
・重篤な肝機能障害
・横紋筋融解症
・汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少症、血小板減少
・アナフィラキシー

下田武

本剤では、重大な副作用としてセロトニン症候群を起こすことがあります。
早期に副作用であるセロトニン症候群を発見するために、セロトニン症候群の初期症状について把握しておきましょう。
<セロトニン症候群の初期症状>
不安、焦燥、興奮、錯乱、幻覚、発汗、頻脈、振戦など


体内動態

主にCYP2D6で代謝される。また、CYP2D6の阻害作用を示す。


飲み合わせ(相互作用)

<併用禁忌>
・MAO阻害剤
セロトニン症候群が現れることがある。
・ピモジド
QT延長、心室性不整脈等の重篤な心臓血管系の副作用が現れることがある。

<併用注意>
・セロトニン作用を有する薬剤
・メチルチオニウム塩化物水和物
セロトニン症候群が現れることがある。

・フェノチアジン系抗精神病剤
・リスペリドン
・三環系抗うつ剤
・抗不整脈剤
・β−遮断剤
・アトモキセチン
・タモキシフェン
本剤のCYP2D6阻害作用により、上記の薬剤の作用が増強することがある。

・キニジン、シメチジン
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇することがある。

・フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、リファンピシン
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の血中濃度が上昇することがある。

・ホスアンプレナビルとリトナビルの併用時
本剤の作用が減弱することがある。

・ワルファリン
ワルファリンの作用が増強されるおそれがある。

・ジゴキシン
ジゴキシンの作用が減弱するおそれがある。

・止血、血液凝固阻止する薬
・出血症状の報告のある薬剤
出血傾向が増強するおそれがある。

・アルコール
飲酒を避けることが望ましい。


(注意事項)
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テルネリン錠1mg/テルネリン顆粒0.2%(チザニジン塩酸塩)

名称

商品名:テルネリン
一般名:チザニジン塩酸塩


剤形、規格

錠:1mg
顆粒:0.2%


構造


薬効分類

筋緊張緩和剤


薬効薬理・作用機序

脊髄及び脊髄上位中枢のアドレナリンα2受容体を刺激し、交感神経の興奮、ノルアドレナリンの分泌を抑制することにより、固縮緩解作用、脊髄反射抑制作用等の筋緊張緩和作用を示す。


適応症、服用方法、使用方法

①筋緊張状態の改善
通常成人には、3mgを1日3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

②痙性麻痺
通常成人には、1日3mgより投与を始め、効果をみながら1日6〜9mgまで漸増し、1日3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。


使用できない場合(禁忌)

・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

・フルボキサミン又はシプロフロキサシンを投与中の患者

・重篤な肝障害のある患者
[本剤は主として肝で代謝される。また、肝機能の悪化が報告されている。]


使用するにあたっての注意事項

・投与初期に急激な血圧低下が現れることがある。

・自動車の運転等危険を伴う機会操作には従事させないこと。
(本剤投与により、反射運動能力の低下、眠気、めまい及び低血圧等があらわれることがある。)


副作用

<主な副作用>
血圧低下、眠気・頭痛・頭重感、めまい(回転性めまい、浮動性めまい)、ふらつき、口渇、悪心、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢、肝機能検査異常、発疹、皮膚そう痒感、脱力、倦怠感

<重大な副作用>
ショック
急激な血圧低下
心不全
呼吸障害
肝炎、肝機能障害、黄疸


飲み合わせ(相互作用)

<併用禁忌>
・フルボキサミン、シプロフロキサシン
これらの薬剤がCYP1A2を阻害し、本剤の血中濃度を上昇させる。

・降圧剤
本剤の中枢性α2受容体刺激作用により降圧作用が増強される。

・中枢抑制薬、アルコール
眠気等の副作用が増強されるおそれがある。

・抗不整脈薬
(アミオダロン、メキシレチン、プロパフェノン)
・シメチジン
・ニューキノロン系抗菌剤
・黄体・卵胞ホルモン剤
・経口避妊薬
・チクロピジン
これらの薬剤がCYP1A2を阻害し、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。

・CYP1A2を誘導する薬剤
(リファンピシンなど)
これらの薬剤がCYP1A2を誘導し、本剤の血中濃度を低下させる可能性がある。


(注意事項)
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タリージェ錠2.5、5、10、15 mg(ミロガバリンベシル酸塩)

名称

商品名:タリージェ
一般名:ミロガバリンベシル酸塩


剤形、規格

錠剤:2.5、5、10、15 mg


構造


薬効分類

末梢性神経障害性疼痛治療剤


薬効薬理・作用機序

ミロガバリンは神経系において電位依存性カルシウムチャネルの機能に対し補助的な役割をなすα2δサブユニットとの結合を介して、カルシウム電流を抑制することにより鎮痛作用を発揮すると考えられる。

下田武

カルシウムチャネルα2δサブユニットには、α2δ-1、α2δ-2が存在します。
ミロガバリンはプレガバリンに比べ、神経障害性疼痛に重要な役割を担うα2δ-1に長時間結合することにより、鎮痛効果が持続的に認められると考えられています

<参考>
ミロガバリンの解離半減期
ヒトα2δ-1 :11.1 時間
ヒトα2δ-2 : 2.4 時間

プレガバリンの解離半減期
ヒトα2δ-1 、ヒトα2δ-2 : 1.4 時間


適応症、服用方法、使用方法

・末梢性神経障害性疼痛
通常、初期用量1回5mgを1日2回経口投与し、その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、 1 回15mgを1日2回経口投与する。
なお、年齢、症状により1回10mgから15mgの範囲で適宜増減し、1日2回投与する。

下田武

同様の作用機序を有するリリカ(プレガバリン)と同様に神経障害性疼痛に用いられます。なお、リリカ(プレガバリン)は線維筋痛症にも用いられることがあります。

下田武

本剤は腎消失型薬物(約80%腎臓で消失する)であり、腎機能障害患者に投与すると血中濃度が上昇することがあるため、腎機能障害患者に投与する際には、クレアチニンクリアランスに応じて投与量を調節することとされています


使用できない場合(禁忌)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者


使用するにあたっての注意事項

・自動車の運転等危険に伴う機械の操作に従事させないよう注意すること
(本剤投与によりめまい、傾眠、意識障害等が現れることがある)

・体重増加をきたすことがあるので肥満に注意すること
(本剤投与により体重増加をきたすことがあるため、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと)

・本剤による治療は原因療法でなく対症療法であることから、本剤を漫然と投与しないこと

・急激な投与中止により離脱症状(不眠症、悪心、下痢、食欲減退等)が現れることがある

・眼障害が現れることがあるため、診察時に眼症状について問診する


副作用

<主な副作用>
傾眠、浮動性めまい、体重増加 など

<重大な副作用>
めまい、意識消失、肝機能障害

下田武

同様の作用機序を有するリリカ(プレガバリン)に比べ、傾眠、浮動性めまい、体重増加の副作用が起こりにくいというデータが得られています。副作用が少ない理由として、ヒトα2δ-2に結合する時間が短いことが関与していると考えられています。


体内動態

本剤は主として腎からの糸球体ろ過及び尿細管分泌により排泄される。
本剤の分泌に関わる主なトランスポーターは、有機アニオントランスポーター(OAT)1、OAT3、H+/有機カチオントランスポーター(MATE)1及びMATE2-Kである。
また、UGTグルクロン酸転移酵素による代謝も受ける。


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
・プロベネシド
プロベネシドのOAT1,OAT3及びUGT阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇することがある。

・シメチジン
シメチジンのMATE1及びMATE2−K阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇することがある。

・ロラゼパム、アルコール
中枢神経抑制作用が増強することがある。


(注意事項)
作成日時の時点における医薬品情報を使用して作成しております。
医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。