日別アーカイブ: 2019年6月17日

トルリシティ皮下注アテオス(デュラグチド)

名称

商品名:トルリシティ皮下注アテオス
一般名:デュラグチド


剤形、規格

皮下注:0.75 mg


構造

デュラグルチドは、遺伝子組換え融合糖タンパク質であり、1〜31番目は改変型ヒトグルカゴン様ペプチド1、また48〜275番目は改変型ヒトIgG4のFcドメインからなり、2、16、30、57、63及び64番目のアミノ酸残基がそれぞれGly、Glu、Gly、Pro、Ala及びAlaに置換されている。
デュラグルチドは、チャイニーズハムスター卵巣細胞から産生される。
デュラグルチドは、275個のアミノ酸残基からなるサブユニット2個から構成される糖タンパク質(分子量:約63,000)である。

 


薬効分類

持続性GLP−1受容体作動薬

下田武

本剤は、アミノ酸置換と分子量の増加により作用の持続化を可能にしています。

・アミノ酸置換により、DPP−4による分解に抵抗性を示す。
・分子量を大きくすることにより、吸収速度および腎クリアランスを低下させている。


薬効薬理・作用機序

デュラグルチドはGLP−1受容体を介してcAMP(サイクリックAMP)を増大させることによりグルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進させる。

・インスリン分泌機構について
①グルコースがGULT2により膵β細胞に取り込まれる。
②取り込まれたグルコースによりATPが産生される。
③産生されたATPによりATP感受性Kチャネルが閉口する。
④細胞内K濃度が上昇し、脱分極が誘発され、それにより電位依存性Ca2チャネルが開口する。
⑤細胞内Ca2が上昇することによりインスリン分泌が促進される。

・GLP-1、GIPの作用について
GLP-1、GIPが受容体に作用すると細胞内cAMPが上昇する。それによりCa2の有効性が増大し、インスリン分泌が促進される。


適応症、服用方法、使用方法

・2型糖尿病
通常、0.75mgを週に1回、皮下注射する。

下田武

投与を忘れた場合の対処法については以下のようになっています。
・次回投与までの期間が3日間(72時間)以上である
気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定められた曜日に投与すること
・次回投与までの期間が3日間(72時間)未満
投与せず、次のあらかじめ定められた曜日に投与すること。


使用できない場合(禁忌)

1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者
[インスリン製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない。]
3 重症感染症、手術等の緊急の場合
[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない。]


使用するにあたっての注意事項

(1) 2型糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常や尿糖陽性を呈する糖尿病類似の病態(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意すること。

(2) 本剤の適用は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。

(3) 本剤はインスリンの代替薬ではない。本剤の投与に際しては、患者のインスリン依存状態を確認し、投与の可否を判断すること。類薬において、インスリン依存状態の患者で、インスリンからGLP-1受容体作動薬に切り替え、急激な高血糖及び糖尿病性ケトアシドーシスが発現した症例が報告されている。

(4) 投与する場合には、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3〜4ヵ月間投与して効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。

(5) 投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合があり、また、患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、血糖値、感染症の有無等に留意の上、常に投与継続の可否、薬剤の選択等に注意すること。

(6) 本剤は持続性製剤であり、本剤中止後も効果が持続する可能性があるため、血糖値の変動や副作用予防、副作用発現時の処置について十分留意すること。

(7) 本剤の使用にあたっては、患者に対し、低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。特にスルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。これらの薬剤と併用する場合、低血糖のリスクを軽減するため、これらの薬剤の減量を検討すること。

(8) 低血糖があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること。

(9) 急性膵炎が発現した場合、本剤の投与を中止し、再投与しないこと。急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること。

(10) 胃腸障害が発現した場合、急性膵炎の可能性を考慮し、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、慎重に対応すること。

(11) 本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認し、異常が認められた場合には、専門医を受診するよう指導すること。

(12) 本剤の自己注射にあたっては、患者に十分な教育訓練を実施した後、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもと実施すること。また、器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。

(13) 本剤は週1回、同一曜日に投与する薬剤である。投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること

(14)  本剤とインスリン製剤との併用における有効性及び安全性は検討されていない。

(15)  本剤とDPP-4阻害剤はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。


副作用

<主な副作用>
便秘、悪心、下痢など

<重大な副作用>
・低血糖
アナフィラキシー、血管浮腫

<重大な副作用(類薬)>
・急性膵炎
・腸閉塞


飲み合わせ(相互作用)

<併用注意>
・糖尿病用薬
(インスリン製剤、SU剤、速効型インスリン分泌促進薬、α−グルコシダーゼ阻害薬、チアゾリジン系薬剤、DPP−4阻害剤、ビグアナイド系薬剤、SGLT−2阻害剤など)
血糖降下作用が増強される。

・糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬
(β−遮断薬、モノアミン酸化酵素阻害剤など)
血糖降下作用が増強される。

・糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬
(アドレナリン、副腎皮質ステロイド、甲状腺ホルモンなど)
血糖降下作用が減弱される。

・ワルファリンカリウム
本剤の胃内容排泄速度の低下によりワルファリンの最高血中濃度到達時間が遅延する。


(注意事項)
作成日時の時点における医薬品情報を使用して作成しております。
医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。

吸入剤のまとめ

吸入剤のまとめ

日本薬局方(17局)

吸入剤
吸入剤は、有効成分をエアゾールとして吸入し、気管支又は肺に適用する製剤である。
本剤には、吸入粉末剤、吸入液剤及び吸入エアゾール剤がある。
本剤の吸入投与のために適切な器具又は装置を使用するか、又は吸入用の器具を兼ねた容器に本剤を充塡する。

下田武

日本薬局方より吸入剤の定義の部分を抜粋しました。
吸入薬の定義を把握した上で各製剤の特徴を確認するようにしましょう。

 


短時間作用性β2刺激薬(SABA)

・ベネトリン吸入液
(サルブタモール硫酸塩)
・サルタノール インヘラー
(サルブタモール硫酸塩)
・ベロテック エロゾル
(フェノテロール臭化水素酸塩)
・メプチン 吸入液/エアー/キッドエアー/スイングヘラー
(プロカテロール塩酸塩水和物)

下田武

SABAは、主に気管支閉塞による症状増悪時に用いられます。
また、心臓への負担があるため、1日の使用回数に上限が定められています。


長時間作用性β2刺激薬(LABA)

・セレベント ロタディスク/ディスカス
(サルメテロールキシナホ酸塩)
・オンブレス吸入用カプセル

(インダカテロールマレイン酸塩)
・オーキシス タービュヘイラー
(ホルモテロールフマル酸塩水和物)

下田武

LABAは主に慢性閉塞性肺疾患の長期管理薬(コントローラー)として用いられます。


短時間作用性抗コリン薬(SAMA)

・アトロベント エロゾル
(イプラトロピウム臭化物水和物)


長時間作用性抗コリン薬(LAMA)

・スピリーバ 吸入用カプセル/レスピマット
(チオトロピウム臭化物水和物)
・シーブリ吸入用カプセル
(グリコピロニウム臭化物)
・エクリラ ジェンヌエア
(アクリジニウム臭化物)
・エンクラッセ エリプタ吸入用
(ウメクリジニウム臭化物)

下田武

LAMAは、主に慢性閉塞性肺疾患の長期管理薬として用いられることが多いです。


抗コリン薬・β2刺激薬配合剤

・ウルティブロ吸入用カプセル
(グリコピロニウム臭化物・インダカテロールマレイン酸塩)
・アノーロ エリプタ
(ウメクリジニウム臭化物・ビランテロールトリフェニル酢酸塩)
・スピオルト レスピマット
(チオトロピウム臭化物水和物・オロダテロール塩酸塩)


吸入ステロイド(ICS)

・オルベスコ インヘラー
(シクレソニド)
・アニュイティ エリプタ
(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)
・キュバール エアゾール
(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル)
・フルタイド ロタディスク/ディスカス/エアゾール
(フルチカゾンプロピオン酸エステル)
・パルミコート タービュヘイラー/吸入液
(ブデソニド)
・アズマネックス ツイストヘラー
(モメタゾンフランカルボン酸エステル)

下田武

吸入ステロイドは、気管支喘息の長期管理薬として用いられます。
喘息発作悪化時に用いても即効性はないため、常日頃から使用するように説明する必要があります。また、副作用として、口腔カンジダや嗄声(声枯れ)が起こりやすいため、それらを防止する目的で吸入後うがいする必要があります。


吸入ステロイド・β2刺激薬配合剤

・アドエア ディスカス/エアゾール
(フルチカゾンプロピオン酸エステル・サルメテロールキシナホ酸塩)
・シムビコート タービュヘイラー
(ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物)
・フルティフォーム エアゾール
(フルチカゾンプロピオン酸エステル・ホルモテロールフマル酸塩水和物)
・レルベア エリプタ
(フルチカゾンフランカルボン酸エステル・ビランテロールトリフェニル酢酸塩)

下田武

<SMART療法について>
SMARTは、以前、Symbicort maintenance and reliever therapyの略語とされていましたが、現在では、single inhaler maintenance and reliever therapyの略語とされています。
SMART療法とは、1つの吸入薬を、喘息の長期管理薬(コントローラー)だけでなく、喘息の発作治療薬(リリーバー)としても用いる治療法のことであり、シムビコートはコントローラーおよびリリーバーとして用いることができるため、SMART療法が可能な薬剤とされています。

<シムビコートがSMART療法に用いられる理由>
シムビコートに含まれるホルモテロールが短時間作用性β2刺激薬と同様に急速に気管支拡張効果を示すことから、シムビコートがSMART療法に用いることが可能であるとされています。


吸入ステロイド・抗コリン薬・β2刺激薬配合剤

・テルリジー エリプタ
(フルチカゾンフランカルボン酸エステル・ウメクリジニウム臭化物・ビランテロールトリフェニル酢酸塩)

第104回薬剤師国家試験 問52

皮膚に適用する液剤はどれか。1つ選べ。

1 エリキシル剤
2 シロップ剤
3 パップ剤
4 リニメント剤
5 リモナーデ剤

 

 

 

 


解説
選択肢のうち、皮膚に適用する液剤は、「リニメント剤」である。
1 誤
エリキシル剤は、甘味および芳香のあるエタノールを含む澄明な液状の経口液剤である。
2 誤
シロップ剤は、水を加えるとき、シロップ剤となる顆粒状または粉末状の製剤であり、ドライシロップ剤と称することができる。
3 誤
パップ剤は、水を含む基剤を用いる貼付剤である。
4 正
5 誤
リモナーゼ剤は、甘味及び酸味のある澄明な液状の経口液剤である。


解答
4

レスリン錠25、50(トラゾドン塩酸塩)

名称

商品名:レスリン
一般名:トラゾドン塩酸塩


剤形、規格

錠剤:25、50 mg


構造


薬効分類

うつ病・うつ状態治療剤
(第二世代抗うつ薬)


薬効薬理・作用機序

5−HT2受容体拮抗作用、セロトニン再取り込み阻害作用により鎮静作用、抗不安作用、抗うつ作用を示す。

下田武

抗うつ作用よりも抗不安作用、鎮静作用が強いとされており、睡眠の補助薬として使用されることがあります。


適応症、服用方法、使用方法

・うつ病・うつ状態
通常、成人には1日75〜100mgを初期用量とし、1日200mgまで増量し、1〜数回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

下田武

抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮することとされています。


使用できない場合(禁忌)

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.サキナビルメシル酸塩を投与中の患者


使用するにあたっての注意事項

1.眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
2.陰茎及び陰核の持続性勃起が起こることが報告されているので、本症状が発現した場合には直ちに投与を中止すること。
3.うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。
4.不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
5.自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
6.家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
7.投与量の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、倦怠感、不安、睡眠障害等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

副作用

<主な副作用>
眠気、めまい・ふらつき、口渇、便秘 など

<重大な副作用>
1.QT延長、心室頻拍 (torsades de pointes を含む) 、心室細動、心室性期外収縮
2. 悪性症候群(Syndrome malin)
3. セロトニン症候群
4. 錯乱、せん妄
5. 麻痺性イレウス
6. 持続性勃起
7. 無顆粒球症


体内動態

本剤は主に肝代謝酵素CYP3A4、CYP2D6で代謝される。


飲み合わせ(相互作用)

<併用禁忌>
・サキナビルメシル酸塩
CYP3A4阻害作用により本剤の代謝が阻害される。
本剤の血中濃度が増加し、重篤な心血管系の副作用(QT延長等)を起こすおそれがある。

<併用注意>
・降圧剤
起立性低血圧および失神を含む低血圧が起こる可能性がある

・アルコール、中枢抑制剤
中枢抑制作用が増強される。

・モノアミン酸化酵素阻害剤
本剤の作用が増大するおそれがある。

・強心配糖体、フェニトイン
上記の薬物の血中濃度が上昇することがある。

・フェノチアジン誘導体
血圧低下を起こす可能性がある。

・ワルファリンカリウム
プロトロンビン時間の短縮が認められたとの報告がある。

・カルバマゼピン
CYP誘導作用により本剤の血中濃度が低下することがある。

・CYP阻害剤
本剤の血中濃度が増加することがある。


(注意事項)
作成日時の時点における医薬品情報を使用して作成しております。
医薬品を使用する前には、必ず最新の添付文書を確認するようにしてください。