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核反応及び放射平衡

核反応

核反応または原子核反応とは、原子核に外から他の原子核や陽子、中性子、光子などを衝突させる反応のことである。核反応により、人工放射性同位元素(人工放射性核種)を産生させることができる。


加速器を利用した放射性同位元素の製造

加速器は、荷電粒子(陽子、電子など)を電場や交流磁場で加速して、それらに運動エネルギーを与える装置であり、加速器には、サイクロトロンなどがある。サイクロトロンは、SPECTに用いる201Tl、123I、67GaやPETに用いる15Oや18Fの製造に用いられている。


 放射平衡

親核種の半減期が娘核種の半減期より長い(娘核種の半減期が親核種の半減期より短い)場合、放射平衡が成り立つ。放射平衡とは、X→Y→Zの逐次(連続)壊変において、親核種Xと娘核種Yが常に同時に存在し、それらの放射能が釣り合った状態のことである。

X(親核種)→ Y(娘核種)→  Z

放射平衡には、親核種と娘核種の半減期の大きさにより、過渡平衡と永続平衡に分類される。

<過渡平衡>
親核種の半減期が娘核種の半減期より長い(10倍以上)とき、過渡平衡が成り立つ。

<永続平衡>
親核種の半減期が娘核種の半減期よりかなり長い(1000倍以上)とき、永続平衡が成り立つ。

<放射能変化のグラフについて>
・過渡平衡
親核種の放射能:時間とともに減少
娘核種の放射能:親核種の壊変とともに増加するが、時間の経過とともに親核種と同様に減少

・永続平衡
親核種の放射能:半減期が長すぎるため、時間が経過してもほとんど変化しない
娘核種の放射能:時間の経過とともに親核種のグラフに近づき最終的には親核種と同じになる


放射平衡を利用したジェネレーターによる放射性同位元素の製造

長半減期の親核種から短半減期の娘核種を分離することで、短半減期の放射性同位元素(娘核種)を使用時繰返し入手することが可能となる。親核種をカラムなどに保持させ、娘核種だけを溶離できるようにした装置をジェネレーターという。

99Mo−99mTcジェネレーター、ミルキング>
半減期66時間の99Mo(99MoO42)をアルミナカラムに吸着させ、生理食塩水で洗うと、半減期6時間の99mTc(99mTcO42)だけを溶離することが可能となる。このようにして、必要時に99mTcだけを溶離することができる装置を99Mo−99mTcジェネレーターという。また、このように雌牛からミルクを搾るように、放射平衡を利用して娘核種を得る方法をミルキングという。

<ジェネレーターの条件>
放射性同位元素を得るジェネレーターについては、以下の条件を満たす必要がある。
・無菌状態にすること
・パイロジェン(発熱性物質)フリーにすること
・遮蔽すること


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