55歳男性。身長168 cm、体重82 kg。血清クレアチニン値1.8 mg/mL。気管支ぜん息の既往症がある。高尿酸血症と診断され、以下の薬剤が処方された。
問224 (実務)
この処方の内容及び患者指導に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 日頃の尿酸値のコントロールが重要であることを説明し、服薬遵守を促す。
- テオフィリンが処方された場合は、アロプリノールとの相互作用に注意する。
- アロプリノールの大部分はオキシプリノールに代謝されるため、腎機能に合わせた減量を考慮する必要はない。
- 海藻類の摂取をなるべく控えるよう指導する。
解答・解説
解答
1、2
解説
1 正
高尿酸血症の治療においては、日頃の尿酸値をコントロールすることで痛風発作を誘発しないようにすることが非常に重要であるため、アロプリノールをしっかり服用するように説明する。
2 正
テオフィリンはキサンチンオキシダーゼにより代謝されるため、キサンチンオキシダーゼを阻害するアロプリノールとの相互作用に注意する必要がある。
3 誤
アロプリノールの主代謝物であるオキシプリノールは腎臓で消失するため、腎機能に合わせた減量を考慮する必要がある。
4 誤
海藻類は尿のpHをアルカリ化することにより尿酸排泄を促進するため、海藻類を積極的に摂取するように説明する。
問225 (物理・化学・生物)
アロプリノールは、核酸の代謝に影響する薬物である。ヒトにおけるヌクレオチドの合成及び分解に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- プリン塩基の分解による最終産物は尿素である。
- サルベージ経路では、ヌクレオチドの分解で生じたヌクレオシドや塩基が再利用される。
- ピリミジンヌクレオチドが分解されて、キサンチンが生成する。
- アロプリノールは、キサンチンオキシダーゼを阻害する。
- プリンヌクレオチドの生合成では、プリン骨格が合成された後に5−ホスホリボシル1−ピロリン酸が付加される。
解答・解説
解答
2、4
解説
1 誤
プリン塩基の分解による最終産物は尿酸である。
2 正
ヌクレオチドの分解で生じたヌクレオシドや塩基はサルベージ経路(再利用経路)で再利用される。
3 誤
キサンチンはプリンヌクレオチドが分解されて生成する。
4 正
アロプリノールは、構造中にプリン骨格を有しており、競合的にキサンチンオキシダーゼの生合成を阻害する。
5 誤
プリンヌクレオチドの生合成では、5−ホスホリボシル1−ピロリン酸(PRPP)にアミノ酸(アスパラギン酸、グリシン、グルタミン)、テトロヒドオロ葉酸及び二酸化炭素が反応してプリン骨格が合成される。
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