薬物の溶解及び製剤からの放出に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ヒグチ(Higuchi)の式において、放出される薬物の累積量は時間の平方根に比例する。
- ヒクソン-クロウェル(Hixson-Crowell)の式は、粒度分布を持つ粉体の溶解現象を表す式である。
- 固体分散体中の薬物は、その薬物結晶に比べて溶解速度が小さい。
- 安定形の結晶は、準安定形の結晶に比べて溶解速度が大きい。
- 無水物は、水和物に比べて水中での溶解速度が大きい。
薬物の溶解及び製剤からの放出に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答 解説 2 誤 3 誤 4 誤 5 正解答・解説
1、5
1 正
ヒグチ(Higuchi)式は、マトリックス製剤において成立する式であり、以下の式で表される。
Q=[D・(2A-Cs)]・Cs・t1/2
Q:累積薬物放出量、D:マトリックス中の薬物の拡散係数、A:マトリックス中の全薬物量
Cs:マトリックス中の薬物の溶解度、t:時間
上記の式より、放出される薬物の累積量は時間の平方根と比例する。
ヒクソン-クロウェル(Hixson-Crowell)の式は、シンク条件下、同一粒子径の球形粒子であると仮定した場合に成立する式であり、粒度分布を持つ粉体の溶解現象を表す式ではない。
固体分散体とは、薬物を水溶性高分子に分散させたものであり、固体分散体中の薬物は、その薬物結晶に比べて溶解速度は大きい。
安定形の結晶は、準安定形の結晶に比べて、溶解度が小さいため、溶解速度も小さくなる。
無水物は、水和物に比べて、溶解度が大きいため、溶解速度も大きくなる。
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