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第107回薬剤師国家試験 問260〜261(実践問題) 緑内障

48歳男性。ぜん息の治療でシムビコートタービュヘイラー(ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物配合)を使用している。人間ドックの眼圧検査により、高眼圧を指摘されたため、眼科を受診した。視力は右眼0.4、左眼 0.5、眼圧は右29 mmHg、左 25 mmHg、視神経乳頭陥凹が認められ、原発開放隅角緑内障と診断された。処方1で薬物療法を行い、1ヶ月後の検査で眼圧は両眼ともに 22 mmHgに低下したが、効果不十分として処方2が追加された。

 

問 260(実務)
 服薬指導時の薬剤師の説明内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 結膜嚢内に点眼する。
  2. 点眼後は瞬きしてよくなじませる。
  3. 夕に点眼する場合は処方1の薬剤から点眼し、1分後に処方2の薬剤を点眼する。
  4. 点眼後は一時的に目がかすむことがあるので、症状が回復するまで自動車の運転等はしない。
  5. 十分効果が得られない場合は、1回2滴まで点眼可能である。

解答・解説

解答
1、4

解説
1 正
まぶたの裏から眼球表面にかけて嚢状(ふくろ状)になっている結膜嚢(結膜全体)内に点眼する。

2 誤
点眼後、まばたきをすると薬液が飛び散るため、閉眼する必要がある。

3 誤
夕に点眼する場合は処方1の薬剤から点眼し、10分後に処方2の薬剤を点眼する。

4 正
点眼後、一時滴に目がかすむことがあるので、症状が回復するまで、機械類の操作や自動車の運転をさける。

5 誤
1回の点眼量は、確実に点眼できれば片眼1滴ずつで十分でありそれ以上点眼しても、目の外にあふれたり、鼻に排泄される。

問261(薬理)
処方2の追加でも効果不十分であったため、処方1及び処方2とは作用機序が異なる薬物を処方3として追加することとなった。追加する処方3の薬物の作用機序として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. アドレナリンβ2受容体を遮断して、房水の産生を抑制する。
  2. プロスタノイドFP受容体を刺激して、ぶどう膜強膜からの房水流出を促進する。
  3. 炭酸脱水酵素を阻害して、房水の産生を抑制する。
  4. Rhoキナーゼ(ROCK)を阻害して、シュレム管からの房水流出を促進する。
  5. アドレナリンα2受容体を遮断して、ぶどう膜強膜からの房水流出を促進する。

解答・解説

解答
4

解説
現在、使用中の薬物(処方1:プロスタグランジン関連薬、処方2:炭酸脱水酵素阻害薬)より、同薬効を示す薬物を追加投与することは適切ではない(選択肢2、3は適切ではない)。また、本患者は気管支喘息治療中であり、アドレナリンβ2受容体遮断薬も適切ではない(選択肢1は適切ではない)。アドレナリンα2受容体を刺激して、ぶどう膜強膜から房水流出を促進する薬物はあるが、選択肢5の作用機序を示す薬剤はない。これらのことより、選択肢4の作用機序を示す薬を追加投与することが適切である。

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