薬物の腸肝循環に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 胆管閉塞で血中半減期が短縮する。
- 抗菌薬の内服による影響を受けることがある。
- 静脈内投与された薬物では起こらない。
- 腸内細菌のβ−グルクロニダーゼが阻害されると血中半減期が延長する。
- 経口投与後の血中濃度において、ピークが二峰性を示すことがある。
薬物の腸肝循環に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答 解説 胆汁中に排泄された物質が、小腸より再び吸収されることを腸肝循環という。肝で抱合代謝(グルクロン酸抱合など)を受けた薬物が胆汁中に排泄され、小腸のβ−グルクロニダーゼ(腸内細菌が生成)により加水分解され、再び未変化体として小腸により吸収される。腸肝循環を受けやすい薬物として、ジゴキシン、プラバスタチン、インドメタシン、モルヒネなどがある。 1 誤 2 正 3 誤 4 誤 β−グルクロニダーゼが阻害されると代謝物は脱抱合ができなくなり、腸肝循環しにくくなることで血中半減期は短縮する。 5 正解答・解説
2、5
胆管閉塞が起こると、薬物は胆汁排泄されなくなるため、血中半減期は延長する。
抗菌薬を内服すると、腸内細菌が減少し、β−グルクロニダーゼが減少する。結果、代謝物は脱抱合ができなくなり、腸肝循環しにくくなることで血中半減期は短縮する。
静脈内投与された薬物も循環血中より肝臓へ移行するため、腸肝循環が起こる可能性がある。
腸肝循環の影響により、経口投与後の血中濃度において、ピークが二峰性(二相性)を示すことがある。
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