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第103回薬剤師国家試験 問200〜201(実践問題) 検査値/血清マグネシウム測定法

70歳男性。人間ドックにて糖尿病の疑いを指摘されて受診し、2型糖尿病と診断された。現在、以下の処方で治療中である。

<検査値>
Scr 1.4 mg/dL、空腹時血糖値96 mg/dL、HbA1c 5.8%、血清マグネシウム値6.5 mg/dL

問200 (実務)
検査値から考えたとき、今後、特に留意すべき症状はどれか。2つ選べ。

  1. 排尿困難
  2. 悪心・嘔吐
  3. 血圧上昇
  4. 味覚異常
  5. 徐脈

解答・解説

解答
2、5

解説
Scr(血清クレアチニン値)の基準値:0.7〜1.10
糖尿病の指標
空腹時血糖値:126 mg/dL以下、HbA1c:6.5%以下
血清マグネシウム値の基準値:1.4〜2.6 mg/dL
上記より、本患者は腎機能が低下しており、酸化マグネシウムを服用することにより血清マグネシウム値が高値を示していると考えられる。
高マグネシウム血症では、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止を起こすことがある。高マグネシウム血症を早期に発見するために、悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行う必要がある。

問201 (物理・化学・生物)
血清マグネシウムの測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 酵素法による定量では、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が混在すると低値を示す。
  2. 誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)発光分光分析法による定量では、フレーム方式及び電気加熱方式が利用できる。
  3. ICP発光分光分析法による定量では、励起状態のマグネシウム原子又はイオンが基底状態に遷移する際に放出される発光を観測する。
  4. ICP質量分析法では、試料中に共存する遷移金属はイオン化されないため、マグネシウムを高感度に定量できる。

解答・解説

解答
1、3

解説
1 正
マグネシウムを含む血清資料にEDTAが混在すると、マグネシウムとEDTAがキレートを形成するため、酵素法によるマグネシウムの定量では、低値を示す。

2 誤
フレーム方式、電気加熱方式は、原子吸光光度法における原子化の方法であり、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)発光分光分析法による定量では利用されない。

3 正
ICP発光分光分析法では、アルゴンプラズマ中に試料を噴霧導入し、高温の熱エネルギーにより励起された試料原子又はイオンが励起状態から基底状態に遷移する際に放出される発光を観測する。

4 誤
ICP質量分析法は、アルゴンプラズマ中に試料を噴霧導入し、生成したイオンを質量分析計に導くことにより、被験元素の定性・定量を行う方法である。ICP質量分析法では、生成したイオンを質量ごとに分けて定性・定量を行なっているため、ICP発光分光分析法に比べ高感度の定性・定量が可能である。

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