MENU
業界最安値、最高の講義、未来を切り拓く教育体験❕ クリック

第103回薬剤師国家試験 問186 注意欠陥・多動性障害(ADHD)

8歳男児。学校の授業中に先生の話を聞いていない。着席しても落ち着かず、離席もあり、集中できず、ミスが多く、忘れっぽい。休み時間に大声を出したり、動き回ったりし、順番を待つことができない。知能は正常であるが周囲の子ども達となじめず、親が心配して病院を受診させたところ、注意欠陥・多動性障害と診断された。この疾患の病態及び薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. メチルフェニデート塩酸塩徐放錠が使用できる。
  2. アトモキセチン塩酸塩は他の治療薬に比べて依存性が強い。
  3. 環境調節などの配慮の必要はない。
  4. 主症状には、不注意、多動性、衝動性の3つがある。
  5. 主症状は成人期以降に消失する。

解答・解説

解答
1、4

解説
注意欠陥・多動性障害(AD/HD)について以下に示す。
・主な症状として、不注意、多動性、衝動性の3つが挙げられる。
・有病率については、学童期で約3〜7%(成人になっても症状が改善しないことがある)
・病因は明確ではないが、脳前頭野部分のドパミン神経系、アドレナリン神経系の機能低下が関与していると考えられている。
・治療薬としては、メチルフェニデート徐放錠、アトモキセチン塩酸塩カプセル剤/内用液剤が用いられる。

<メチルフェニデートの作用機序>
ドパミン及びノルアドレナリントランスポーターに結合し、その再取り込みを抑制することにより、シナプス間に存在するドパミン及びノルアドレナリンを増加させて神経系の機能を亢進するものと考えられている。
<アトモキセチン塩酸塩の作用機序>
選択的にノルアドレナリントランスポーターに結合し、ノルアドレナリンの再取り込みを抑制することによりシナプス間隙中のノルアドレナリンを増加させ神経機能を亢進するものと考えられている。

1 正

2 誤
アトモキセチンはメチルフェニデートに比べ、依存性が弱いとされている。

3 誤
AD/HDの症状は気が散りやすい環境で現れやすいとされている。そのため、治療するにあたっては環境調節などを行うことが有用とされている。

4 正

5 誤
前記参照

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次