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第102回薬剤師国家試験 問220〜221

第102回薬剤師国家試験 問220〜221

22歳女性。統合失調症のため病院の精神科へ通院している。母親が薬局を訪れ、「娘が薬を時々飲み忘れて、症状が安定しないことから、リスペリドン持効性懸濁注射液を注射された。」と薬剤師に伝えた。また、母親は下記の処方箋を見て、注射剤と同じ薬物が内服薬として処方されていることに疑問をもち、今後の薬物治療について薬剤師に質問した。

なお、リスペリドン持続性懸濁注射液の添付文書には、次の2つのグラフが掲載されている
(一部改変)。


問220 (実務)
母親に対する薬剤師の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。

 症状が重くなったので、持効性懸濁注射液と内服液と併用しています。
 持効性懸濁注射液の効果は、投与3週間を過ぎたころから現れることから、それまでは内服薬も服用します。
 症状が安定するようであれば、今後、注射は2週間毎になります。
 持効性懸濁注射液の効果が十分でない場合は、本剤を静脈内に投与される場合があります。

 

 

 

 

 

解答・解説

解答
2、3


解説
1 誤
本患者はコンプライアンスが悪く、症状が安定しないことから病院にて初めてリスペリドン持効性懸濁注射液を投与された。グラフ1より、本剤を単回投与した場合、3週間後より血中濃度の上昇が認められているため、投与後3週間は効果が現れない。このことから、初回投与後3週間は経口抗精神病薬を併用するなど適切な治療を行うこととされている。
2 正
解説1参照
3 正
本剤の「用法・用量」を以下に示す。
通常、成人にはリスペリドンとして1回25 mgを2週間隔で臀部筋肉内投与する。なお、初回量は25 mgとし、その後、症状により適宜増減するが、1回量は50 mgを超えないこと。
4 誤
本剤を静脈内投与すると、肺等の臓器に微小塞栓を誘発するおそれがあるため、本剤は臀部筋肉内のみに投与し、静脈内には絶対投与しないこととされている。


問221 (物理・化学・生物)
統合失調症では、様々な神経伝達物質との関連が示唆されている。神経伝達物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 ノルアドレナリンの水酸化によりドパミンが生合成される。
 ドパミンは、酸化的脱アミノ化と水酸基のメチル化により代謝される。
 セロトニンは、フェニルアラニンの水酸化と脱炭酸反応により生合成される。
 グルタミン酸は、アスパラギン酸のアミノ基がオキサロ酢酸に転移されて生合成される。
 グルタミン酸受容体は、イオンチャネル型と代謝調節型に分類される。

 

 

 

 

 

 

解答・解説

解答
2、5


解説
1 誤
ドパミンは、ドパの脱炭酸により生合成される。なお、ノルアドレナリンは、ドパミンの水酸化により生合成される。
2 正
ドパミンは、モノアミン酸化酵素(MAO)による酸化的脱アミノ化とカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)による水酸基のメチル化により代謝される。
3 誤
セロトニンは、トリプトファンの水酸化と脱炭酸反応により生合成される。
4 誤
グルタミン酸は、アスパラギン酸のアミノ基がα−ケトグルタル酸に転移されて生合成される。
5 正
グルタミン酸受容体は、イオンチャネル型(NMDA型など)と代謝調節型(Gタンパク質共役型受容体)に分類される。

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