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第100回薬剤師国家試験 問100 吸光度、旋光度、X線回折法

水酸基を有する医薬品Xのデータは以下の通りである。次の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。
分子量:200
300 nmにおけるモル吸光係数:20,000
比旋光度[α]20D:-30°〜 -33°

  1. 医薬品Xの300 nmにおける比吸光度E 11 cm は1,000である。
  2. 医薬品Xの1.0×106 mol/L溶液の旋光度を層長100 mmのセルを用いて測定すると-3.0°〜 -3.3°となる。
  3. 医薬品Xの赤外吸収スペクトルにおいて、水酸基の伸縮振動スペクトルの波数は、測定溶媒との水素結合形成により減少する。
  4. 医薬品Xの結晶を作成しX線(波長1.54 Å(0.154 nm))を照射した。このとき、回折角2θが60°の回折点由来の面間隔は0.89 Åである。ただし、31/3=1.73とする。
解答・解説

解答
1、3

解説
1 正
比吸光度E 1%1 cmとモル吸光度係数εの間には、以下のような関係式が成立する。

ε=20,000、M=200であることから、E 1%1 cmを以下のように求めることができる。

E 1%1 cmは1000となる。

2 誤
比旋光度[α]20D は、以下の式で表される。

α:旋光度、l:層長、c:濃度

旋光度αを求めるためには、cの単位を(g/mL)にする必要がある。
c=1.0×10-6 mol/L、分子量:200であることから、
c=1.0×10-6 mol/L=1.0×10-6 ×200 g/1000 mL=2.0×10-7 g/mL
比旋光度[α]20D-30°〜-33°、c=2.0×10-7 g/mL、l=100 mmであることから、旋光度αを以下のように求めることができる。

αは、-6.0×10−6〜-6.6×10−6となる。

3 正
4 誤
X線を結晶に照射し、回折がみられる場合、ブラッグの式が成立する。
ブラッグの式:2dsinθ=nλ
θ:入射X線と結晶面の角度、d:面間隔、n:整数、λ:波長
λ=1.54 Å、θ=30°であることから、面間隔dを以下のように求めることができる。
2dsin30°=n×1.54 Å   (sin30°=1/2)
d=n×1.54 Åとなる。
この結果から、面間隔dは、1.54 Åの整数倍であることがわかる。

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