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合成副腎皮質ステロイド性薬 プレドニゾロン錠(プレドニゾロン錠)

◉名称、化学構造

名称:プレドニゾロン

 

◉代表的な製剤

プレドニゾロン錠
プレドニン錠

◉分類

合成副腎皮質ホルモン剤

◉効能・効果

  • 慢性副腎皮質機能不全(原発性、続発性、下垂体性、医原性)、急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ)、副腎性器症候群、亜急性甲状腺炎、甲状腺中毒症〔甲状腺(中毒性)クリーゼ〕、甲状腺疾患に伴う悪性眼球突出症、ACTH単独欠損症
  • 関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む)、リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む)、リウマチ性多発筋痛
  • エリテマトーデス(全身性及び慢性円板状)、全身性血管炎(高安動脈炎、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症を含む)、多発性筋炎(皮膚筋炎)、強皮症
  • 川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合)
  • ネフローゼ及びネフローゼ症候群
  • うっ血性心不全
  • 気管支喘息、喘息性気管支炎(小児喘息性気管支炎を含む)、薬剤その他の化学物質によるアレルギー・中毒(薬疹、中毒疹を含む)、血清病
  • 重症感染症(化学療法と併用する)
  • 溶血性貧血(免疫性又は免疫性機序の疑われるもの)、白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む)、顆粒球減少症(本態性、続発性)、紫斑病(血小板減少性及び血小板非減少性)、再生不良性貧血、凝固因子の障害による出血性素因
  • 限局性腸炎、潰瘍性大腸炎
  • 重症消耗性疾患の全身状態の改善(癌末期、スプルーを含む)
  • 劇症肝炎(臨床的に重症とみなされるものを含む)、胆汁うっ滞型急性肝炎、慢性肝炎(活動型、急性再燃型、胆汁うっ滞型)(但し、一般的治療に反応せず肝機能の著しい異常が持続する難治性のものに限る)、肝硬変(活動型、難治性腹水を伴うもの、胆汁うっ滞を伴うもの)
  • サルコイドーシス(但し、両側肺門リンパ節腫脹のみの場合を除く)、びまん性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む)
  • 肺結核(粟粒結核、重症結核に限る)(抗結核剤と併用する)、結核性髄膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性胸膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性腹膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性心のう炎(抗結核剤と併用する)
  • 脳脊髄炎(脳炎、脊髄炎を含む)(但し、一次性脳炎の場合は頭蓋内圧亢進症状がみられ、かつ他剤で効果が不十分なときに短期間用いる)、末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)、筋強直症、重症筋無力症、多発性硬化症(視束脊髄炎を含む)、小舞踏病、顔面神経麻痺、脊髄蜘網膜炎、デュシェンヌ型筋ジストロフィー
  • 悪性リンパ腫及び類似疾患(近縁疾患)、多発性骨髄腫、好酸性肉芽腫、乳癌の再発転移
  • 特発性低血糖症
  • 原因不明の発熱
  • 副腎摘除、臓器・組織移植、侵襲後肺水腫、副腎皮質機能不全患者に対する外科的侵襲
  • 蛇毒・昆虫毒(重症の虫さされを含む)
  • 強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)
  • 卵管整形術後の癒着防止、副腎皮質機能障害による排卵障害
  • 前立腺癌(他の療法が無効な場合)、陰茎硬結
  • ★湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、アトピー皮膚炎、乳・幼・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、その他の手指の皮膚炎、陰部あるいは肛門湿疹、耳介及び外耳道の湿疹・皮膚炎、鼻前庭及び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎など)(但し、重症例以外は極力投与しないこと)、★痒疹群(小児ストロフルス、蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)(但し、重症例に限る。また、固定蕁麻疹は局注が望ましい)、蕁麻疹(慢性例を除く)(重症例に限る)、★乾癬及び類症〔尋常性乾癬(重症例)、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、稽留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ライター症候群〕、★掌蹠膿疱症(重症例に限る)、★毛孔性紅色粃糠疹(重症例に限る)、★扁平苔癬(重症例に限る)、成年性浮腫性硬化症、紅斑症(★多形滲出性紅斑、結節性紅斑)(但し、多形滲出性紅斑の場合は重症例に限る)、IgA血管炎(重症例に限る)、ウェーバークリスチャン病、粘膜皮膚眼症候群〔開口部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン病、皮膚口内炎、フックス症候群、ベーチェット病(眼症状のない場合)、リップシュッツ急性陰門潰瘍〕、レイノー病、★円形脱毛症(悪性型に限る)、天疱瘡群(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、Senear-Usher症候群、増殖性天疱瘡)、デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡、妊娠性疱疹を含む)、先天性表皮水疱症、帯状疱疹(重症例に限る)、★紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む)、顔面播種状粟粒性狼瘡(重症例に限る)、アレルギー性血管炎及びその類症(急性痘瘡様苔癬状粃糠疹を含む)、潰瘍性慢性膿皮症、新生児スクレレーマ
  • 内眼・視神経・眼窩・眼筋の炎症性疾患の対症療法(ブドウ膜炎、網脈絡膜炎、網膜血管炎、視神経炎、眼窩炎性偽腫瘍、眼窩漏斗尖端部症候群、眼筋麻痺)、外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法で点眼が不適当又は不十分な場合(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、虹彩毛様体炎)、眼科領域の術後炎症
  • 急性・慢性中耳炎、滲出性中耳炎・耳管狭窄症、メニエル病及びメニエル症候群、急性感音性難聴、血管運動(神経)性鼻炎、アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、副鼻腔炎・鼻茸、進行性壊疽性鼻炎、喉頭炎・喉頭浮腫、食道の炎症(腐蝕性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法、難治性口内炎及び舌炎(局所療法で治癒しないもの)
  • 嗅覚障害、急性・慢性(反復性)唾液腺炎

★印:外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いる

◉薬理作用

プレドニゾロンは、コルチゾールと比べて糖質コルチコイド作用が強い。

  • 糖新生を促進し血糖を上昇させる作用、たん白異化作用、脂肪組織での脂肪分解作用などの代謝作用
  • 炎症による浮腫、フィブリン沈着、毛細管拡張、白血球遊走、食細胞の活性化、線維芽細胞の分裂、肉芽形成などを抑制する抗炎症作用
  • 免疫抑制作用
  • 赤血球・好中球が増加し、リンパ球・好酸球が減少する血液に対する作用
  • 中枢神経に対する興奮作用

◉使用する際の注意

  • 本剤の投与により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化管潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては次の注意が必要である。
    1)投与に際しては特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できる場合には、本剤を投与しない。また、局所的投与で十分な場合には、局所療法を行う。
    2)投与中は副作用の発現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行う。
    3)特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。
    a)本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認する。
    b)水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行う。感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずる。
    c)水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意する。
    4)連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行う。離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量する。
  • 副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意する。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行う。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
  • 本剤の長期あるいは大量投与中の患者、又は投与中止後6ヵ月以内の患者では、免疫機能が低下していることがあり、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強または持続させるおそれがあるので、これらの患者には生ワクチンを接種しない。
  • 強皮症患者における強皮症腎クリーゼの発現率は、副腎皮質ホルモン剤投与患者で高いとの報告がある。本剤を強皮症患者に投与する場合は、血圧及び腎機能を慎重にモニターし、強皮症腎クリーゼの徴候や症状の出現に注意する。また、異常が認められた場合には適切な処置を行う。

◉相互作用

  • デスモプレシン酢酸塩水和物併用禁忌
    低ナトリウム血症が発現するおそれがある
  • バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシン
    上記薬剤のCYP誘導作用により、本剤の作用が減弱することが報告されている
  • サリチル酸誘導体
    本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進するため、併用時に本剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されている
  • 抗凝血剤
    抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されている
  • 経口糖尿病用剤
    経口糖尿病用剤、インスリン製剤の効果を減弱させることが報告されている
  • 利尿剤(カリウム保持性利尿剤を除く)
    低カリウム血症があらわれることがあるので、併用する場合には用量に注意する
  • 活性型ビタミンD3製剤
    本剤は尿細管でのカルシウムの再吸収阻害、骨吸収促進等により、また、活性型ビタミンD3製剤は腸管からのカルシウム吸収促進により尿中へのカルシウムの排泄を増加させる
  • シクロスポリン
    副腎皮質ホルモン剤はシクロスポリンの代謝を抑制する
  • エリスロマイシン
    本剤の作用が増強されるとの報告がある
  • 非脱分極性筋弛緩剤
    筋弛緩作用が減弱又は増強するとの報告がある
  • キノロン系抗菌剤
    腱障害のリスクを増加させるとの報告がある

◉副作用

◉主な副作用
満月様顔貌(満月のような丸い顔つき)、発疹など

◉重大な副作用
・誘発感染症、感染症の増悪

[かぜのような症状、倦怠感、発熱]

・続発性副腎皮質機能不全、糖尿病
[吐き気、口渇、疲れやすい]

・消化管潰瘍、消化管穿孔、消化管出血
[吐き気、黒色便、腹痛]

・精神変調、うつ状態、痙攣
[気分が落ち込む、やる気がおきない、けいれん]

・骨粗鬆症、大腿骨および上腕骨などの骨頭無菌性壊死、ミオパチー
[腰や背中の痛み、関節の痛み、筋肉のこわばり]

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