◉商品名、一般名、化学構造
商品名:ブロプレス
一般名:カンデサルタン シレキセチル
◉分類
持続性アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬
◉効能・効果
高血圧症、腎実質性高血圧症
慢性心不全(アンギオテンシン変換酵素阻害剤の投与が適正でない場合)
◉薬理作用
カンデサルタンは、AT1受容体を遮断することで血管収縮抑制作用を示す。また、アルドステロンの分泌を抑制することにより体液量を減少させることで、血圧降下作用を示す
◉副作用
主な副作用
発疹、湿疹、蕁麻疹、かゆみ、光線過敏症、めまい、ふらつき、立ちくらみ、動悸、ほてり、頭痛、頭重感、不眠、眠気、舌のしびれ、吐き気、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、みぞおちの痛み、下痢、口内炎、貧血、倦怠感、脱力感、鼻出血、頻尿、浮腫、咳など
重大な副作用
- 血管浮腫
顔・舌・のどが腫れる、息苦しい - ショック、失神、意識消失
冷たく感じる、吐く、意識がなくなる - 急性腎障害
尿量が減る、顔や手足がむくむ、熱が出る - 高カリウム血症
手足や唇がしびれる、筋力がおとろえる - 肝機能障害、黄疸
皮膚や白目が黄色くなる、体がだるい、食欲不振 - 無顆粒球症
発熱、のどが痛い、体がだるい - 横紋筋融解症
脱力感、筋肉痛、褐色の尿 - 間質性肺炎
発熱、から咳、息苦しい - 低血糖
冷や汗が出る、空腹感、手のふるえ
◉使用する際の注意
- 両側性・片側性腎動脈狭窄のある患者では、腎機能が悪化することがあるため、使用を控える
- 高カリウム血症を誘発することがあるため、血清カリウム値に注意し使用する
- 降圧作用に基づくめまい、ふらつきが現れることがあるため、危険を伴う機械操作(自動車の運転等)をする際には注意する
- 手術前24時間は投与しないことが望ましい
- レニン-アンギオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある
血圧が急に低下し、ショック、失神、腎機能機能低下を起こすことがある - 慢性心不全に用いる場合、利尿薬、ジギタリス製剤等と併用する
本剤単独投与では、有用性は確立されていない - NYHA心機能分類Ⅳの慢性心不全に対する有用性は確立していない
◉同種同効薬との比較
- アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は、ブラジキニンの分解を抑制することで血圧降下作用を示すとともに、空咳を誘発する
- ACE阻害薬は、キニナーゼⅡ(アンギオテンシン変換酵素)由来によるアンギオテンシンⅡの生成を抑制することができるが、キマーゼ由来のアンギオテンシンⅡの産生を抑制することができない。そのため、アンギオテンシンⅡの働きを強く抑制することができない、それに対してARBはアンギオテンシンⅡの作用を幅広く抑制することができ、ACE阻害薬よりも高い効果を示すと考えられている
- ミカルディス(テルミサルタン)は、インスリン抵抗性改善作用がある
- ニューロタン(ロサルタン カリウム)は、尿酸低下作用がある
コメント