1 化学結合の成り立ち

化学結合の概要

化学結合とは、複数個の原子が集まって物質を構成する際、互いの原子間を結びつけるもののことである。化学結合を形成するためには、安定化(エネルギーの低下)が不可欠であるとされている。化学結合を形成する際、原子は電子を失ったり、得たり、共有することが認められる。
化学結合は、イオン結合共有結合金属結合に大別される。
また、化学結合には、電気陰性度が密接に関係しており、簡易的には次のように表すことができる。

イオン結合
電気陰性度が小さい原子と電気陰性度が大きい原子間で形成される

共有結合
電気陰性度が大きい原子間で形成される

金属結合
電気陰性度が小さい原子間で形成される

実際の物質中の化学結合は、いずれかの純粋な形ではなく、混じり合っていることが多い。


イオン結合

イオン結合については、塩化ナトリウムを例に考える。ナトリウムはNaとなり、安定な状態となる。また、塩素はハロゲンでありClとなり、安定な状態となる。これらは互いに逆の符号の電荷をもつため、両者間にはクーロン力(静電相互作用)が働いて、エネルギーが低下し、イオン結合が形成される。


共有結合

陰性元素同士の場合、イオン結合のように片方が陽イオン、もう片方が陰イオンとなり結合するのは、陰性元素が陽イオンとなる必要があるため、エネルギー的に不安定である。そのため、陰性元素同士の場合には、電子を共有することで、結合を形成し、分子となる。共有結合を考える方法には、主に2つの量子力学的方法である原子価結合法と分子軌道法がある。

1)原子価結合法
 原子間の結合は、不対電子(スピンが対になっていない電子)をもつ原子軌道が不対電子をもつ別の原子軌道と重なり合ってできると考える。

例)H2(水素分子)の場合
2つの水素原子A、Bは互いに1s軌道に1つの電子を有している(不対電子を1個有している)。
これらが近づくと互いに電子を共有し、結合を形成する(下図参照)。

2)分子軌道法
分子軌道法については、「分子軌道の基本概念」にて詳細を確認


配位結合

配位結合は、共有結合の1種である。通常の共有結合と異なり、一方の原子が結合を形成するために電子対を提供する。

例)アンモニウムイオン(NH4

丸で囲われた電子対は、窒素より提供されたものであり、プロトンから電子は提供されていない。配位結合は、ローンペアを提供するもの(ルイス塩基)とローンペアを受け取るもの(ルイス酸)の間で形成される。配位結合は一度形成されてしまうと、共有結合と見分けることができないため、配位結合については、共有結合の一種と考えることもできる。


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