MENU
YAKUZERO オンライン授業コース クリック

高尿酸血症の治療

覚えること

  • 高尿酸血症・痛風の治療では、まず生活指導を行う。
  • 痛風関節炎や痛風結節がある場合は、尿酸降下薬による治療を行う。
  • 無症候性高尿酸血症では、合併症の有無と血清尿酸値から薬物治療を考える。
  • 痛風発作時は、NSAIDs、コルヒチン、グルココルチコイドなどで炎症を抑える。
  • 「尿酸値を下げる治療」と「痛風発作を抑える治療」は別である。

高尿酸血症の治療の考え方

高尿酸血症の治療では、単に血清尿酸値を低下させるだけでなく、痛風関節炎、痛風結節、尿路結石、腎障害などを予防・改善することが重要である。また、高尿酸血症では肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病を合併していることもあるため、尿酸値だけでなく患者背景全体を確認する必要がある。

生活指導

高尿酸血症では、薬物治療の有無にかかわらず、生活習慣の改善が治療の基本となる。特に次のような生活習慣を見直す。

  • 過食を避け、適正なエネルギー摂取を心がける
  • プリン体を多く含む食品の過剰摂取を避ける
  • 過度な飲酒を避ける
  • 肥満がある場合は体重を適正化する
  • 適度な運動を行う

プリン体だけを制限すればよいわけではなく、食事・飲酒・肥満などを含めた生活習慣全体を見ることが重要である。

しもっち
「高尿酸血症=プリン体だけ減らせばOK」と覚えないようにしよう!
症例問題では、肥満・飲酒・食生活などの患者背景も一緒に出てくることがある。
尿酸値だけでなく、生活習慣全体を見ることがポイントだよ。

薬物治療をいつ始める?

高尿酸血症だからといって、すべての患者に同じタイミングで尿酸降下薬を開始するわけではない。薬物治療を考える際には、痛風関節炎・痛風結節の有無、合併症の有無、血清尿酸値に注目する。

① 痛風関節炎または痛風結節がある場合

痛風関節炎を繰り返す場合や痛風結節が存在する場合には、生活指導に加えて尿酸降下薬による治療を行う。

② 症状がなく、合併症がある場合

痛風発作などの症状がなくても、腎障害、尿路結石、高血圧などの合併症がある場合には、血清尿酸値8.0 mg/dL以上を薬物治療を検討する目安として整理する。

③ 症状がなく、合併症もない場合

症状も合併症もない場合には、血清尿酸値9.0 mg/dL以上を薬物治療を検討する目安として整理する。

無症候性高尿酸血症の整理

合併症あり + 血清尿酸値 ≧ 8.0 mg/dL → 薬物治療を検討
合併症なし + 血清尿酸値 ≧ 9.0 mg/dL → 薬物治療を検討

治療の目標値

尿酸降下療法では、血清尿酸値を低下させることで、尿酸塩結晶の形成や沈着を防ぐことが重要である。

高尿酸血症・痛風の治療では、血清尿酸値6.0 mg/dL以下を目標として管理する。

治療目標

血清尿酸値 ≦ 6.0 mg/dL

ここで注意したいのが、「高尿酸血症の定義」と「治療目標」は異なるという点である。

高尿酸血症の定義:血清尿酸値 > 7.0 mg/dL
治療目標:血清尿酸値 ≦ 6.0 mg/dL

しもっち
尿酸値の数字は、それぞれ「何を判断する数字なのか」までセットで覚えよう!
7.0 mg/dL超は高尿酸血症の定義、6.0 mg/dL以下は治療目標である。さらに薬物治療を考える8.0、9.0 mg/dLもあるので、数字だけを丸暗記せず意味まで区別しておこう!

尿酸降下療法

尿酸降下療法では、血清尿酸値を適切に低下させることで、尿酸塩結晶の形成や沈着を抑えることを目的とする。
尿酸降下薬は、大きく考えると次のように整理できる。

尿酸を作らせない → 尿酸生成抑制薬
尿酸を体外へ出す → 尿酸排泄促進薬など

薬剤の選択では、高尿酸血症の病型だけでなく、腎機能、尿路結石の有無、併用薬なども確認する必要がある。

痛風発作時の治療

痛風発作は、尿酸塩結晶によって生じる急性炎症である。
そのため、発作時の治療では血清尿酸値を下げることよりも、まず炎症と疼痛を抑えることが目的となる。

尿酸塩結晶 → 炎症反応 → 激しい関節痛
痛風発作時 → 抗炎症薬で炎症を抑える

① NSAIDs

NSAIDsは、痛風発作時の炎症と疼痛を抑えるために使用する。
症例問題では、腎機能低下や消化管障害など、NSAIDsを使用しにくい患者背景がないかにも注意する。

② コルヒチン

コルヒチンは、好中球の機能を抑えることで、尿酸塩結晶によって引き起こされる炎症反応を抑制する。特に痛風発作の前兆期から発作早期に用いることがポイントである。

③ グルココルチコイド

グルココルチコイドは強い抗炎症作用により痛風発作を抑える。NSAIDsが使用できない患者などでは、グルココルチコイドが選択肢となる。

「発作を抑える薬」と「尿酸を下げる薬」を分ける

高尿酸血症・痛風で最も混同しやすいのが、痛風発作の治療薬と尿酸降下薬である。

痛風発作中
→ 炎症・疼痛を抑える
→ NSAIDs、コルヒチン、グルココルチコイドなど

慢性期
→ 血清尿酸値を低下させる
→ 尿酸降下薬

つまり、NSAIDsやコルヒチンは尿酸そのものを大きく減らす薬ではなく、尿酸塩結晶によって起こった炎症を抑える薬である。

しもっち
高尿酸血症・痛風の症例では、薬の名前を見る前に「今は痛風発作中なのか? それとも尿酸値を長期的に管理する場面なのか?」を確認しよう。ここを分けるだけで、NSAIDs・コルヒチンと尿酸降下薬をかなり選びやすくなるよ!

国家試験攻略

① 血清尿酸値7.0 mg/dL超を見たら

まず高尿酸血症と判断する。
ただし、それだけで薬物治療開始とは判断しない。

② 無症候性なら「合併症」を確認

合併症あり → 8.0 mg/dL
合併症なし → 9.0 mg/dL

この「8と9」の区別を押さえておく。

③ 激しい関節痛・発赤・腫脹がある場合

現在は痛風発作を起こしている可能性を考える。
まず抗炎症治療を考える。

④ NSAIDs・コルヒチンが選択肢にあれば

「尿酸を下げる薬」ではなく、痛風発作による炎症を抑える薬として判断する。

⑤ 腎機能・尿路結石を見逃さない

尿酸降下薬の選択では、尿酸値だけではなく腎機能や尿路結石の有無も重要な情報となる。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする