薬剤師国家試験出題項目

頻尿治療薬、排尿障害治療薬

頻尿治療薬、排尿障害治療薬

1 排尿調節の神経支配

 排尿調節は自律神経により行われている。交感神経系が興奮すると排尿が抑制され、副交感神経系が興奮すると排尿が促進される。

2 頻尿治療薬

 下部尿路機能障害は、蓄尿機能の障害と排尿機能障害に分類される。過活動膀胱は、突然起こる我慢できないような強い尿意(尿意切迫感)を生じる蓄尿機能障害であり、その治療には、抗コリン薬、β2受容体刺激薬、β3受容体刺激薬が用いられる。また、過活動膀胱以外の蓄尿障害には、三環系抗うつ薬、平滑筋弛緩薬が用いられる。

1)抗コリン薬

① プロピベリン ② オキシブチニン ③ ソリフェナシン ④ イミダフェナシン
⑤ トルテロジン

・膀胱平滑筋のM3受容体を遮断し、膀胱平滑筋を弛緩することにより頻尿、尿失禁、尿意切迫感を改善する。
・プロピベリン、オキシブチニンは、Ca拮抗作用により直接的膀胱平滑筋弛緩作用を有する。
・副作用として、口渇、便秘、腹痛、眼圧上昇、尿閉を起こすことがある。

2)β2受容体刺激薬

① クレンブテロール

・膀胱排尿筋のβ2受容体を刺激し、膀胱排尿筋を弛緩させる。また、外尿道括約筋のβ2受容体を刺激し、外尿道括約筋を収縮させる。
・腹圧性尿失禁に用いられる。

3)β3受容体刺激薬

① ミラベグロン ② ビベグロン

・膀胱排尿筋のβ3受容体を刺激し、膀胱排尿筋を弛緩させることにより蓄尿機能を改善する。
・過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁に用いられる。

 4)平滑筋弛緩薬

① フラボキサート

・電位依存性Ca2チャネルに作用し、Ca2の流入を抑制する。また、ホスホジエステラーゼを阻害し、cAMPを上昇させることにより膀胱平滑筋を弛緩する。
・神経性頻尿、慢性膀胱炎、慢性前立腺炎に伴う頻尿、残尿感に用いられる。

3 排尿障害治療薬

 排尿障害には、前立腺肥大に伴うものや神経因性膀胱などの低緊張性膀胱によるものがある。排尿障害の治療には、α1受容体遮断薬、M3受容体刺激薬、コリンエステラーゼ阻害薬が用いられる。

1)α1受容体遮断薬

① プラゾシン ② テラゾシン  ③ ウラピジル ④ タムスロシン ⑤ シロドシン
⑥ ナフトピジル

・前立腺平滑筋にあるα1A受容体を遮断し、前立腺肥大に伴う尿道の圧迫を軽減することにより、排尿障害を改善する。
(α1A受容体遮断薬は、前立腺平滑筋を弛緩させるが、肥大した前立腺を縮小する作用をほとんど示さない。)
・ナフトピジルは、α1D受容体を選択的に遮断し、内尿道括約筋を弛緩させることにより、排尿障害を改善する。
・前立腺肥大症に伴う排尿障害に用いられる。

2)M3受容体刺激薬

① ベタネコール
・膀胱排尿筋のM3受容体を刺激し、膀胱排尿筋を収縮させる。また、膀胱括約筋のM3受容体を刺激し、膀胱括約筋を弛緩させる。
・手術後、分娩後及び神経因性膀胱などの低緊張性膀胱による排尿困難に用いられる。
・副作用として、悪心、腹痛、発汗などを起こすことがある。

3)コリンエステラーゼ阻害薬

① ネオスチグミン ② ジスチグミン
・コリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリン濃度を上昇させることにより膀胱排尿筋の収縮及び膀胱括約筋の弛緩を促す。
・手術後、分娩後の排尿困難に用いられる。

◇関連問題◇
第98回問248〜249、第99回問28、第101回問248〜249、第102回問153、第103回問152、第103回問246〜247、第104回問27

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