薬剤師国家試験出題項目

遺伝子多型

Section 遺伝子多型

遺伝子多型とは、人口の1%以上の頻度で観測される遺伝子を構成しているDNAの配列の個体差のことである。代表的な遺伝子多型には、一塩基多型(SNP)、In /Del多型、反復配列多型、コピー数多型などがある。

 1 一塩基多型(SNP)

一塩基多型(SNP:Single Nucleotide Polymorphism)とは、ゲノムDNAの塩基配列が1つ分だけ他の塩基に置き換わることであり、疾病の原因遺伝子を同定する遺伝子マーカーとして用いられている。SNPはヒトゲノム中で最も高い頻度で見出されており、2人以上のヒトのゲノムを比較すると、約0.1%(約300万箇所)にSNPがあるとされている。

 ヒトにおける表現型の違いや疾患の発現の有無はSNPによることがあり、これを調べることにより、個々の薬物代謝酵素や疾病の発現頻度を知ることができる。これを活かすことで個別化医療(テーラーメイド医療)を実現することができる。

 2 In /Del多型

 In/Del多型とは、DNA配列に挿入/欠損をもつ多型のことである。例えば、ABO式血液型においては、A型の遺伝子座が祖先型と考えられており、O型の遺伝子型はA型の遺伝子型から塩基が1つ欠損したものと考えられている。このことから、O型の遺伝子配列はIn/Del多型の1つに分類される。

3 反復配列多型

ヒトのゲノム中にはマイクロサテライト(2〜4塩基単位の配列が数回〜数十回繰り返されたもの)やミニサテライト(数塩基〜数十塩基の単位が数十回繰り返されたもの)が存在し、これらの反復回数の相違が多型として現れる。ヒトゲノム中には、マイクロサテライト部分が数十万あり、よくある例として、シトシン(C)とアデニン(A)が繰り返すCAリピートがある。マイクロサテライト、ミニサテライトの変異はまれに遺伝子に影響を与えることがある。 

 4 コピー数多型(CNV:Copy Number Variation)

一般にヒトの遺伝子は父母それぞれのゲノムに由来する遺伝子を1組ずつ、合わせて2組引き継ぐため、ある遺伝子に注目した場合、それぞれ2つの遺伝子(2コピー)の遺伝子を有するとされる。重複や欠失によりヒトゲノムの一部の領域(1000塩基対以上)のコピー数が、標準となるゲノムより増える場合、減る場合が知られている。これをコピー数多型(CNV)という。
遺伝子領域にCNVが存在する場合、その遺伝子領域から産生させるタンパク質の量に変化が起こる可能性がある。

◇関連問題◇
第97回問117、第103回問220〜221、第105回問115

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