薬剤師国家試験出題項目

複合反応

生体内の反応、放射壊変、医薬品の合成反応には、単純な反応だけではなく、可逆反応、平行反応、連続(逐次)反応などの複合反応が関与していることが多い。
ここでは1次反応による可逆反応、平行反応、連続(逐次)反応を確認する。

1 可逆反応

可逆反応とは、A→Bのように進行する反応(正反応)とB→Aのように進行する反応(逆反応)が同時認められる反応のことである。

例えば、下記のような可逆反応が認められる場合

正反応における速度式と逆反応における速度式は下記のように表すことができる。

可逆反応では、時間の経過に伴って濃度変化が穏やかになり、最終的には見かけ上、濃度変化が認められなくなる。このような状態を平衡状態という。平衡状態においては、正反応の速度と逆反応の速度が等しくなることから、下記の式が成立する。

k1[A]eq=k1[B]eq

([A]eq[B]eq:平衡状態におけるA及びBの濃度)

平衡状態を表す指標には、平衡定数Kがあり、下記のように表される。

平衡定数Kより、平衡状態における、及び速度定数に比を求めることができる。


2 平行反応

平行反応とは、反応物より複数の生成物が作られる反応のことである。
例えば、下記のような平行反応が認められる場合

Bの生成速度式及びCの生成速度式は下記のように表すことができる

また、Aの分解速度については、Bの生成速度とCの生成速度の和と等しくなることから、下記のように表すことができる。

なお、[B]:[C]については、時間によらず速度定数の比kB:kCとなる。

[B]:[C]については、時間によらず速度定数の比kB:kCとなることから、時間t1および時間t2において青矢印と黄矢印の長さの比は、kB:kCとなる。


3 連続反応(逐次反応)

連続反応(逐次反応)とは、反応物から生成物ができ、生成物から2次生成物、3次生成物ができる反応のことである。

例えば、下記のような連続反応が認められる場合

Aの分解速度式及びCの生成速度式は下記のように表すことができる

また、中間体Bの濃度変化については、Bの生成速度とBの分解速度の差より求めることができる。

連続反応(逐次反応)では、中間体BはAから生成せれ、その後、分解(消失)することから、極大値を有する濃度変化を示し、その濃度変化はk1及びk2の影響を受ける。

<連続反応(逐次反応)における律速段階について>
連続反応(逐次反応)では、全体の反応のうち、最も時間がかかる段階を律速段階という。
例えば、A→Bに要する時間が10時間、B→Cに要する時間が5分である場合、AからCになる時間は全体で10時間5分となる。A→Cになる反応において、A→Bに要する時間が長いことから、A→Bが律速段階であるといえる。連続反応(逐次反応)において、律速段階を改善すると、全体の反応時間を短くすることができる。

関連問題
第100回問2、第103回問93

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