薬剤師国家試験出題項目

薬物の尿中排泄機構

体内の薬物の消失は、代謝及び未変化体の排泄により行われる。薬物の排泄は、主に胆汁中排泄と尿中排泄により行われ、胆汁中排泄には肝臓が関わり、尿中排泄には腎臓が関わる。

1 腎臓の基本構造 

腎臓は後腹膜側に左右対称に存在しており、その重量は左右両腎合わせて約200〜300 gである。腎臓には心拍出量の約20〜25%(1〜1.3 L/min)の血液が流入しており、単位重量当たりの血液量は種々の臓器の中でも極めて高い。腎臓の基本単位はネフロンであり、ネフロンは腎小体と尿細管からなり、腎小体は糸球体とボーマン嚢で構成されている。

2 腎臓における薬物の挙動 

腎臓において薬物は、糸球体濾過、尿細管分泌、尿細管再吸収を受ける。このことから、腎臓における薬物の尿中排泄量は、下記に式より求めることができる。

尿中排泄量=糸球体濾過量+尿細管分泌量-尿細管再吸収量

1)糸球体濾過

糸球体濾過とは、血漿中に含まれる薬物などが、糸球体毛細血管内からボーマン嚢へと濾過される現象のことである。糸球体の毛細血管内壁は、血管内皮細胞、基底膜、上皮細胞から構成されており、薬物が糸球体で濾過されるためには、血管内皮細胞、基底膜、上皮細胞を通過する必要がある。

参考:サイズバリヤー、チャージバリヤーについて
チャージバリヤーとは、糸球体基底膜が陰性に荷電していることから、同一の分子量でも陽性荷電物質は通過しやすく陰性荷電物質は通過しにくい機能のことであり、チャージバリヤーとは、細胞間隙(漏出孔)の大きさによりタンパク質分子をふるい分けする機能のことである。

アルブミンなどの血漿タンパク質は、サイズバリヤーにより糸球体濾過されにくく、また、陰性に荷電した薬物はチャージバリヤーにより糸球体濾過されにくい。

2)尿細管分泌

尿細管分泌とは、血管側から尿細管側への薬物移行過程のことであり、尿細管上皮細胞を介した細胞膜輸送過程である。近位尿細管を取巻く上皮細胞は、小腸上皮細胞と類似しており、尿細管腔側が刷子縁膜、血管側が側底膜となっている。薬物の尿細管分泌には、様々なトランスポーターが関与している。

3)尿細管再吸収

尿細管再吸収とは、尿細管側から血管側への物質の移行過程のことであり、水や有機物質(糖、アミノ酸、小分子ペプチド、タンパク質など)、無機イオン(ナトリウム、カリウムなど)、薬物はその大部分が腎臓で再吸収される。

近位尿細管では、トランスポーターを介した再吸収が行われ、遠位尿細管では、受動拡散により再吸収が行われる。

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