薬の用量と作用の関係

薬の用量と作用の関係

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薬が生体に及ぼす有効な作用を薬理作用という。薬理作用は用量に依存して強く現れることから、用量と作用(反応)の関係は、薬理作用を理解する上で重要な情報となる。

1 用量と反応の強さの関係

1)薬物の用量の種類

 薬物はその用量によって個体に対する影響が大きく異なることから、影響の度合いに応じた用量に名称が付いている。

2)用量−反応曲線(用量−作用曲線)

用量−反応曲線とは、横軸に用量の常用対数、縦軸に反応の強さ(%)をプロットしたものであり、用量と反応の強さの関係を表すシグモイド(S字状)の曲線である。

薬物の効力を示す指標として、ED50(50%有効量:50% effective dose 試験に用いた動物の半数に反応が現れる用量)が用いられ、薬物の毒性を示す指標として、LD50(50%致死量:50% lethal dose 試験に用いた動物の半数が死亡する用量)が用いられる。
LD50/ED50を安全域といい、薬物の安全性の指標として用いられており、安全域が大きいほど有効量と致死量の間に大きな差があることから、安全性の高い薬物であるといえる。
また、薬物の効力の強さを表す指標として、ED50の負の常用対数であるpD2値(-logED50)が用いられる。

pD2値と薬の効力
pD2値が大きい薬物ほど、ED50が小さくなることから、少ない用量で薬効を示す薬物(薬効が現れやすい薬物)であるといえる。

 

3)効力の比較と固有活性

受容体に結合することにより、その機能を促進する薬物を作動薬(アゴニスト)という。作動薬(アゴニスト)は、生体内物質と同等の作用(最大反応)を示す完全アゴニストと完全アゴニストに比べ作用の弱い部分アゴニストに分類される。
最大反応は、固有活性(内活性)で表され、通常、最も大きい最大反応を与える薬物の内活性を1とする。このことから、完全アゴニストは内活性が1であり、部分アゴニストは内活性が1未満(0〜1の間)である。

また、一部の薬物受容体には、アゴニストが結合しなくても、恒常的に活性化して反応を示しているものがある。そのような受容体に対してある化合物が結合すると、その恒常的活性化が阻害されることがある。そのような現象を引き起こす化合物を逆アゴニスト(インバースアゴニスト)という。

関連問題
第97回問26、第99回問27

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