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脂質異常症の分類

脂質異常症は、単に「コレステロールが高い」「トリグリセリドが高い」というだけでなく、
なぜ脂質異常が起こっているのかどのリポタンパク質が増えているのかという2つの視点で整理すると理解しやすくなります。
薬剤師国家試験では、分類名を丸暗記するのではなく、原因 → 増加するリポタンパク質 → 上昇する脂質までつなげて考えられるようにしておきましょう。

覚えること

  • 脂質異常症は、原因から原発性脂質異常症続発性脂質異常症に分類される。
  • 原発性脂質異常症には、遺伝的要因が関係するものがある。
  • 続発性脂質異常症では、糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群などが重要である。
  • WHOの表現型分類では、増加しているリポタンパク質によって分類する。
  • 特にIIa型、IIb型、IV型、V型の違いは国試で押さえておきたい。

原因からみた脂質異常症の分類

脂質異常症をみたときは、「脂質代謝そのものに異常があるのか」それとも「他の疾患などによって二次的に起こっているのか」を考えます。

分類 特徴 代表例
原発性
脂質異常症
脂質代謝に関係する遺伝的要因などによって生じる。 家族性高コレステロール血症(FH)など
続発性
脂質異常症
他の疾患、薬剤、生活習慣などを背景として二次的に生じる。 糖尿病
甲状腺機能低下症
ネフローゼ症候群
クッシング症候群
肥満 など

続発性脂質異常症

続発性脂質異常症では、脂質の数値だけを見るのではなく、背景にある疾患を探すことが重要です。

原因 脂質異常につながる考え方 国試での着眼点
甲状腺機能低下症 甲状腺ホルモンの低下によりLDLの処理が低下し、LDLコレステロールが上昇しやすくなる。 TSH↑、FT4↓と高LDL血症を関連づける。
ネフローゼ症候群 大量のタンパク尿による低タンパク血症を背景に、肝臓でのリポタンパク質産生が亢進する。 大量のタンパク尿+低アルブミン血症+脂質異常をセットで考える。
糖尿病 インスリン作用不足やインスリン抵抗性によって脂質代謝が乱れ、TGが上昇しやすくなる。 高血糖+高TG血症がみられたら関連を考える。
クッシング症候群 糖質コルチコイドの過剰により糖・脂質代謝が変化し、脂質異常を生じることがある。 中心性肥満、高血糖などの所見にも注目する。
しもっち
「LDLコレステロールが高い=原発性」とすぐに決めつけないことが大切です。
症例問題では脂質の数値だけではなく、甲状腺、腎臓、糖尿病などの情報がないかを確認しよう。

WHOの表現型分類

WHOの表現型分類では、血液中でどのリポタンパク質が増加しているかによって脂質異常症を分類します。ここは型を丸暗記するより、それぞれのリポタンパク質が何を多く運んでいるのかを理解すると覚えやすくなります。

キロミクロン:食事由来のTGを多く運ぶ。
VLDL:肝臓でつくられたTGを多く運ぶ。
LDL:コレステロールを多く運ぶ。
レムナント:コレステロールとTGの両方を含む。

WHO分類を整理しよう

WHO分類は「中身」から考える

WHO分類は、型 → 増えるリポタンパク質 → 多く含まれる脂質の順番で考えると整理しやすくなります。

LDLが増える→LDLはコレステロールを多く運ぶ
Cho↑

VLDLが増える→VLDLはTGを多く運ぶ
TG↑

キロミクロンが増える→キロミクロンはTGを非常に多く含む
TG↑↑↑

しもっち
「IIa型ではChoが上がる」と直接暗記するより、「IIa型ではLDLが増える → LDLはコレステロールを多く運ぶ → Choが上がる」と考えた方が忘れにくくなります。

家族性高コレステロール血症(FH)

原発性脂質異常症の中でも、国家試験で特に重要なのが家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia:FH)です。
FHでは、LDL受容体経路に関係する遺伝子異常などによって、血液中のLDLを肝細胞へ十分に取り込めなくなります。

正常
血中LDL→LDL受容体を介して肝細胞へ取り込む
→血中LDLを処理できる

FH
LDL受容体経路に異常→肝細胞へのLDL取り込みが低下
血中LDLコレステロール↑

FHの原因遺伝子としては、LDLR、APOB、PCSK9などが知られています。

しもっち
WHO分類は番号だけで覚えると、IIa型とIIb型、I型とV型が混ざりやすいです。
まずは「LDL=コレステロール」「VLDL・キロミクロン=TG」を土台にして、そこから型を整理していこう。

国家試験の狙い目

脂質異常症の分類が出題されたら、次の順番で整理します。

  1. 何のリポタンパク質が増加しているかを確認する。
  2. LDLならコレステロール、VLDL・キロミクロンならTGを思い出す。
  3. ChoとTGの検査値が、その型と一致しているか確認する。
  4. 症例問題では、甲状腺機能、血糖、尿タンパク、アルブミン、服用薬などを見る。
  5. 続発性の原因があるかどうかを確認する。

これだけは覚えて帰ろう

  • 脂質異常症は原発性続発性に分類される。
  • 続発性では糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群などが重要。
  • IIa型:LDL↑ → Cho↑
  • IIb型:LDL+VLDL↑ → Cho↑・TG↑
  • IV型:VLDL↑ → TG↑
  • V型:キロミクロン+VLDL↑ → TG著明上昇
  • WHO分類は増えるリポタンパク質から考える

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