薬剤師国家試験出題項目

結晶、非結晶、無水物、水和物

Section2 結晶、非結晶、無水物、水和物

1 結晶多型

結晶とは、固体のうち、それを構成する原子、分子、イオンなどが規則正しく三次元的に配置されている物質のことであり、同一の化学組成を有するものでも結晶構造が異なることがある。同一の化学組成をもつもので結晶構造が異なることを結晶多形といい、結晶多形間では、溶解度、安定性、融点などが異なる。結晶多形に対して、非晶質は構成分子が同一であり、定義上は多形の一種であるが、分子配列はランダムなため、一般的には多形に含まれない。
一般に、結晶多形のなかで融点が高く溶解度が小さいものを安定形という。

 2 結晶多形の検出方法 

結晶多形の検出には、融点、分光学的測定(赤外吸収スペクトル、粉末X線回折法や熱分析法、ラマンスペクトルなど)が用いられる。その他、結晶多形間での密度、溶解度・溶解速度の違いが利用される場合もある。

3 溶媒和物、水和物 

原薬の溶液からの結晶化の際、溶媒分子を組み込み安定な結晶(溶媒和物)を生成することがある。特に水分子が結合している場合を水和物という。溶媒和物は溶媒分子が構成成分となっている点で多形とは区別されている。
水和物と無水物を比較すると、無水物の方が高い溶解度を持ち、優れたバイオアベイビリティ(生物学的利用率)を示す。

4 塩

 塩とは、酸に含まれている解離しうる水素イオンを陽イオンで置換した化合物であり、〇〇カリウム、〇〇ナトリウム、〇〇塩酸塩、〇〇酢酸塩などがある。医薬品を塩にすることにより溶解度・溶解速度、安定性、吸湿性などを改善することが可能である。塩の選択は、原薬がイオン化可能な官能基を持つこと、対イオンの安全性、想定される投与経路などを考慮して行われる。

◇関連問題◇
第98回問53、第98回問175、第102回問53、第105回問179

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