MENU
YAKUZERO オンライン授業コース クリック

糖尿病の治療

糖尿病治療の目的は、単に血糖値を下げることではない。良好な血糖コントロールを維持し、糖尿病による合併症の発症・進展を防ぐことが重要である。
糖尿病の治療は1型糖尿病と2型糖尿病で大きく異なるため、まず両者の治療方針の違いを整理しておこう。

覚えること

  • 1型糖尿病:インスリンが絶対的に不足するため、インスリン療法が基本
  • 2型糖尿病:まず食事療法・運動療法を行い、必要に応じて薬物療法を行う
  • 食事療法では、適正なエネルギー摂取量を考える
  • 運動療法は、インスリン抵抗性の改善につながる
  • 糖尿病治療では低血糖に注意する

1型糖尿病の治療

1型糖尿病では、膵β細胞の破壊によってインスリンが絶対的に不足している。
そのため、治療の基本はインスリン療法である。
インスリン製剤は作用発現時間や作用持続時間などによって、超速効型、速効型、中間型、持効型溶解、混合型などに分類される。また、1型糖尿病においても、病態に応じてインスリン療法と他の治療を組み合わせることがある。

インスリン療法では低血糖に注意

インスリン療法で特に注意したい副作用が低血糖である。
低血糖では、発汗、動悸、頻脈、手指振戦などの症状が現れることがある。
さらに血糖値が低下すると、脳へのグルコース供給が不足し、意識レベルの低下、異常行動、けいれん、昏睡などを生じることがある。

しもっち
インスリン製剤を見たら「低血糖」をセットで思い出そう!
発汗・動悸・手指振戦などが出てきたら、低血糖を疑う重要な手がかりになります。

2型糖尿病の治療

2型糖尿病では、インスリン抵抗性とインスリン分泌低下によってインスリン作用が相対的に不足している。そのため、食事や運動などの生活習慣を見直すことが治療の基本となり、食事療法・運動療法を行ったうえで、必要に応じて薬物療法を行う。

食事療法

食事療法では、患者の身体活動量や病態などを考慮しながら、適切なエネルギー摂取量を設定する。
肥満を伴う2型糖尿病では、過剰なエネルギー摂取を見直し、適正な体重を目指すことが血糖コントロールの改善につながる。

BMI

体格を評価する代表的な指標がBMI(Body Mass Index)である。
BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)2
BMIは肥満度を評価する指標として用いられ、食事療法を考える際の重要な手がかりとなる。

運動療法

適切な運動は、2型糖尿病における重要な治療の一つである。
運動によって骨格筋でのグルコース利用が促進される。
また、継続的な運動はインスリン抵抗性の改善につながり、血糖コントロールの改善が期待できる。

ただし、すべての糖尿病患者に積極的な運動療法を行えるわけではない。
増殖網膜症による新鮮な眼底出血がある場合や、重度の腎機能障害などを認める場合には、運動を禁止または制限することがある。

しもっち
運動療法は「カロリーを消費するため」だけではありません。国試では「運動 → インスリン抵抗性改善」というつながりが重要です。

2型糖尿病の薬物療法

食事療法や運動療法を行っても十分な血糖コントロールが得られない場合には、患者の病態に応じて薬物療法を行う。2型糖尿病治療薬には、作用機序の異なるさまざまな薬剤が存在する。
そのため国家試験では、「どの薬が、どのような機序で血糖値を低下させるのか」を整理することが重要である。

主な糖尿病治療薬

分類 主な作用
スルホニル尿素薬(SU薬) 膵β細胞からのインスリン分泌を促進する
速効型インスリン分泌促進薬 速やかにインスリン分泌を促進し、主に食後高血糖を改善する
DPP-4阻害薬 インクレチン作用を増強し、血糖依存的にインスリン分泌を促進する
GLP-1受容体作動薬 GLP-1受容体を刺激し、血糖依存的にインスリン分泌を促進する
ビグアナイド薬 主に肝臓での糖新生を抑制する
チアゾリジン薬 インスリン抵抗性を改善する
α-グルコシダーゼ阻害薬 糖質の消化・吸収を遅延させ、食後高血糖を改善する
SGLT2阻害薬 腎臓でのグルコース再吸収を抑制し、尿中へのグルコース排泄を促進する

薬物療法では、患者のインスリン分泌能、インスリン抵抗性、肥満の有無、腎機能、低血糖リスクなどを考慮して治療薬を選択する。

糖尿病治療の全体像

糖尿病 病態 治療の基本 重要ポイント
1型糖尿病 インスリンの絶対的不足 インスリン療法 低血糖に注意
2型糖尿病 インスリン作用の相対的不足 食事療法・運動療法
+必要に応じて薬物療法
病態に応じて治療薬を選択

国家試験ではここが狙われる

国家試験では、糖尿病治療について単純に薬剤名を問うだけではなく、
糖尿病の病型、患者背景、検査値、合併症などから適切な治療を判断させる問題
が出題される。
まずは、「1型=インスリンの絶対的不足 → インスリン療法」「2型=インスリン作用の相対的不足 → 食事・運動療法+必要に応じて薬物療法」という大きな違いを理解しておこう。
そのうえで、2型糖尿病治療薬について「インスリン分泌を増やす」「インスリン抵抗性を改善する」「糖の吸収を遅らせる」「尿中に糖を排泄する」など、作用機序ごとに整理すると覚えやすい。

これだけは覚えて帰ろう

  • 1型糖尿病ではインスリン療法が基本
  • インスリン療法では低血糖に注意する
  • 2型糖尿病では食事療法・運動療法が基本
  • 運動療法はインスリン抵抗性を改善する
  • 食事・運動療法で不十分な場合には薬物療法を行う
  • 2型糖尿病治療薬は作用機序ごとに整理する

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする