糖尿病は、インスリン作用の不足によって慢性的な高血糖状態を示す代謝疾患である。
糖尿病は原因や病態によって、1型糖尿病、2型糖尿病、その他の特定の機序・疾患による糖尿病、妊娠糖尿病に分類される。
まず覚えること
- 1型糖尿病:膵β細胞が破壊され、インスリンが絶対的に不足する
- 2型糖尿病:インスリン抵抗性とインスリン分泌低下が関与する
- 1型糖尿病では糖尿病ケトアシドーシスを起こしやすい
- 2型糖尿病では高浸透圧高血糖状態に注意する
- Cペプチドは内因性インスリン分泌能を評価する指標となる
糖尿病の分類
糖尿病は、成因によって大きく4つに分類される。
1型糖尿病
1型糖尿病は、膵臓ランゲルハンス島B(β)細胞の破壊によってインスリン分泌が著しく低下し、インスリンが絶対的に不足する糖尿病である。1型糖尿病は、自己免疫性と特発性に分類される。
自己免疫性1型糖尿病
自己免疫性では、膵β細胞に対する自己免疫反応によってβ細胞が破壊され、インスリン分泌が低下する。自己抗体として、抗GAD抗体などが認められることがある。β細胞が破壊されると、次のようにインスリンが絶対的に不足する。
1型糖尿病の特徴
しもっち問題では年齢だけでなく、抗GAD抗体・Cペプチド・ケトン体を確認しましょう。
特に「自己抗体陽性+Cペプチド低値」が出てきたら、1型糖尿病を考えやすくなりますよ。
なぜケトアシドーシスを起こしやすいのか
1型糖尿病ではインスリンが絶対的に不足するため、細胞がグルコースを十分に利用できなくなる。その結果、エネルギー源として脂肪の利用が亢進し、脂肪酸からケトン体が多く産生される。
2型糖尿病
2型糖尿病は、インスリン抵抗性とインスリン分泌低下によって、インスリン作用が相対的に不足する糖尿病である。インスリン抵抗性とは、インスリンが存在していても、肝臓、骨格筋、脂肪組織などでインスリンが効きにくくなった状態である。
2型糖尿病の発症には、遺伝的要因に加えて、肥満、運動不足、過食などの生活習慣や加齢など、複数の因子が関与する。
インスリン抵抗性とは
インスリン抵抗性では、インスリンが分泌されていても標的組織が十分に反応しない。例えば骨格筋ではグルコースの取り込みが低下し、肝臓ではインスリンによる糖新生などの抑制が不十分となるため、血糖値が上昇しやすくなる。
初期にはインスリン抵抗性を補うためにインスリン分泌が増加することもあるが、病態が進行するとインスリン分泌能も低下し、高血糖が持続する。
2型糖尿病の特徴



インスリンが効きにくくなると、それを補うためにインスリン分泌が増えることもあります。
「インスリンがあるか」だけではなく、ちゃんと効いているかまで考えるのがポイントです。
1型糖尿病と2型糖尿病を比較しよう
| 1型糖尿病 | 2型糖尿病 | |
|---|---|---|
| インスリン不足 | 絶対的不足 | 相対的不足 |
| 主な病態 | 膵β細胞の破壊 | インスリン抵抗性+インスリン分泌低下 |
| 自己抗体 | 自己免疫性では陽性となることがある | 通常は陰性 |
| Cペプチド | 低値 | 病態により異なる |
| 肥満 | 典型例では非肥満 | 肥満・肥満歴を伴うことが多い |
| 急性合併症 | 糖尿病ケトアシドーシス | 高浸透圧高血糖状態 |
| インスリン療法 | 基本的に必要 | 病態に応じて使用 |



1型はβ細胞が破壊されてインスリンそのものが不足、
2型はインスリン抵抗性などによってインスリンが十分に働けない。
ここを押さえておくと、Cペプチドやケトン体の違いもつながってきますよ。
国家試験での狙い目
国家試験では、患者背景や検査値から1型糖尿病と2型糖尿病を判断させる問題が出題される。
「若年」「非肥満」「抗GAD抗体陽性」「Cペプチド低値」「ケトン体増加」などが示された場合は、1型糖尿病を考える。
一方、「肥満」「家族歴」「インスリン抵抗性」「生活習慣」などが示された場合は、2型糖尿病を考える。
単に年齢だけで判断するのではなく、インスリン分泌能・自己抗体・ケトン体・患者背景を組み合わせて判断することが重要である。
これだけは覚えて帰ろう
- 1型糖尿病=膵β細胞の破壊 → インスリンの絶対的不足
- 2型糖尿病=インスリン抵抗性+インスリン分泌低下 → インスリン作用の相対的不足
- 抗GAD抗体は自己免疫性1型糖尿病を考える手がかりとなる
- Cペプチドは内因性インスリン分泌能を評価する指標となる
- 1型糖尿病では糖尿病ケトアシドーシスに注意する
- 2型糖尿病では高浸透圧高血糖状態に注意する








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