薬剤師国家試験出題項目

粉末X線回折法

粉末X線回折法は、粉末試料にX線を照射して生じる干渉性散乱X線による回折強度を各回折角により測定する方法であり、結晶、結晶多形の同定、定量、結晶化度の測定などに用いられる。

本法では、同心円状の回折像が得られ、それらの情報をもとにX線回折パターンを得ることができる。X線回折パターンは、横軸に回折角(2θ)、縦軸に回折強度をプロットしたものであり、結晶性物質の粉末X線回折パターンは、化合物の結晶に固有である。

2 X線回折現象

 X線回折現象とは、原子が規則正しく配列している物質に、原子の間隔と同程度の波長をもつX線を照射すると、各原子で散乱されたX線がある特定の波長で干渉し合い強いX線を生じることである。

上記の図より、第一格子面でのX線と第二格子面でのX線との行路差は、2dsinθとなる。2dsinθの中に波長λの波が整数個入る場合、第一格子面で散乱されたX線と第二格子面で散乱されたX線の位相が一致し、回折現象が認められる。X線の回折現象が認められる際には、ブラッグの式(下式)が成立する。

2dsinθ=nλ    (d:面間隔、θ:入射角、λ:波長、n:整数)

3 粉末X線回折パターン

 X線回折パターンから得られる回折図については以下の特徴を示す。
・同じ結晶構造を有するものは、同じ回折角の部分に回折強度が強く現れる。
・異なる結晶構造を有するものは、異なる回折角の部分に回折強度が強く現れる。
・結晶構造を有していないもの(非晶質)は、明確な回折強度は現れない。

下記の粉末X線回折パターンより化合物aとbの関係について確認する。

化合物aおよび化合物bでは回折強度が明確に現れていることから、両者は結晶構造を有している(結晶構造を有していない場合は、回折強度が明確に現れない。)。
また、化合物aと化合物bでは異なる回折角2θにおいて回折強度が現れていることから、両者は結晶多形の関係にあると考えられる。

◇関連問題◇
第99回 問5、第99回 問100、第102回 問53

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