抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- メルカプトプリンは、生体内でチオイノシン酸に変換され、アデニル酸及びグアニル酸の生合成を阻害する。
- ビンクリスチンは、DNAをアルキル化し、がん細胞のS期移行を阻害する。
- ゲムシタビンは、生体内でリン酸化され、DNAトポイソメラーゼⅡを阻害する。
- タモキシフェンは、エストロゲン受容体を遮断し、乳がん細胞の増殖を阻害する。
- トラスツズマブは、CD20抗原を有する細胞を補体依存的に傷害する。
抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答 解説 2 誤 3 誤 4 正 5 誤解答・解説
1、4
1 正
メルカプトプリンは、生体内でチオイノシン酸に変換されて、プリン塩基であるアデニル酸及びグアニル酸の生合成を阻害する。
ビンクリスチンは、微小管の構成タンパク質であるチュブリンに結合し、微小管重合を阻害することにより、がん細胞のM期(細胞分裂期)を抑制する。
ゲムシタビンは、生体内でリン酸化され、活性体(二リン酸化体、三リン酸化体)となる。
・二リン酸化体:リボヌクレオチドレダクターゼ阻害により間接的にDNA合成を阻害
・三リン酸化体:DNAに組み込まれることで直接的にDNA合成を阻害
タモキシフェンは、乳がん組織のエストロゲン受容体を拮抗的に遮断し、乳がん細胞の増殖を阻害する。
トラスツズマブは、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)が過剰に発現しているがん細胞の増殖を抑制する。なお、CD20抗原を有する細胞を補体依存的に傷害するのは、リツキシマブである。
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