80歳男性。喀痰よりMRSAが検出され、以下の薬剤が処方された。
問262 (実務)
この患者の薬物療法において、薬剤師が考慮すべき検査項目はどれか。2つ選べ。
- 最小発育阻止濃度(MIC)
- QT間隔
- フィブリノーゲン
- 尿中ミクログロブリン
- 血中テストステロン
解答・解説
解答
1、4
解説
アルベカシンは、アミノグリコシド系抗生物質であり、濃度依存性の抗菌作用を示すため、薬効を判定する際の指標として、Cmax/MICを用いる。また、アミノグリコシド系抗生物質は腎消失型であるため、腎機能の指標(血清クレアチニン濃度、クレアチニンクリアランス、尿中ミクログロビンなど)を基に投与量を設定する。
問263 (薬理)
MRSAに対するアルベカシンの抗菌作用機序として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、転写を抑制する。
- 細菌のエルゴステロール生合成を阻害し、細胞膜の透過性を高める。
- 細胞壁前駆体である直鎖状ペプチドグリカン末端のD-アラニル-D-アラニンと結合し、細胞壁の合成を阻害する。
- 細菌のリボソーム30Sサブユニットに結合し、タンパク質の合成を阻害する。
- 細菌の微小管に結合し、有糸分裂を阻害する。
解答・解説
解答
4
解説
アルベカシンは、細菌のリボソーム30サブユニットに結合し、細菌のタンパク合成を阻害することにより抗菌作用を示し、その作用は殺菌的である。
1 誤
細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、転写を抑制する薬物は、リファンピシンである。
2 誤
細菌のエルゴステロール生合成を阻害し、細胞膜の透過性を高める薬物は、アゾール系抗真菌薬やテルビナフィンである。
3 誤
細胞壁前駆体である直鎖状ペプチドグリカン末端のD-アラニル-D-アラニンと結合し、細胞壁の合成を阻害する薬物は、バンコマイシンである。
4 正
5 誤
真菌の微小管に結合し、有糸分裂を阻害する薬物は、グリセオフルビンである。
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