遺伝子に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 点突然変異の結果、コードされるアミノ酸が変化するものをナンセンス変異とよぶ。
- DNAの相同組換えを利用し、特定の遺伝子を破壊したノックアウトマウスを作製できる。
- 一塩基多型(SNP)は、薬物代謝酵素活性の個体差の原因となることがある。
- 複数の遺伝子を体細胞に導入することで、多能性を獲得した幹細胞を人工的に作製できる。
- 糖尿病や動脈硬化症などの生活習慣病は、通常、多遺伝子性疾患である。
遺伝子に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
解答 解説 2 正しい 3 正しい 4 正しい 5 正しい解答・解説
1
1 誤っている
点突然変異とは、遺伝子DNA中の単一のヌクレオチドの変化で生じる突然変異のことであり、点突然変異の結果、コードされるアミノ酸が変化するものをミスセンス変異とよぶ。なお、ナンセンス変異とは、変異によりアミノ酸に対応するコドンが終止コドンに変化し、タンパク質の合成が途中で終結してしまう突然変異のことである。
DNAの相同組換えを利用して、正常な遺伝子と機能を破壊した遺伝子と入れ替えることにより、特定の遺伝子を破壊したノックアウト動物(ノックアウトマウス)を作製できる。
一塩基多型(SNP)により、発現するタンパク質の活性や発現量に変化が生じることがあり、このことが、個体差の原因なることがある。よって、一塩基多型(SNP)は、薬物代謝酵素活性の個体差の原因となることがある。
複数の遺伝子を体細胞に導入することで、多能性を獲得した細胞(人工多能性幹細胞:iPS細胞)を作製することが可能である。
糖尿病、動脈硬化症、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、通常、複数の遺伝子が発症に関わる多遺伝子性疾患であり、また、遺伝的因子以外にも環境因子も発症に関わっているため、多因性疾患でもある。
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