HOME > 第89回薬剤師国家試験 > 第89回薬剤師国家試験 第89回薬剤師国家試験 問70(衛生薬学) エネルギー代謝 2023年2月9日 エネルギー代謝におけるケトン体に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸及びアセトンは、ケトン体である。 ケトン体は、TCA回路でアセチルCoAが欠乏すると生成する。 ケトン体は、糖尿病で減少する。 肝臓で合成されたケトン体が、脳のエネルギー源となることがある。 解答・解説 解答 1、4 解説 1 正 ケトン体とは、アセチルCoAを原料として主に肝臓で生成されるアセト酢酸、アセトン、β-ヒドロキシ酪酸のことである。 2 誤 脂肪酸がミトコンドリア内でβ酸化を受けると、アセチルCoAが生成される。通常、生成したアセチルCoAはオキサロ酢酸と縮合しクエン酸となりTCA回路で代謝される。しかし、糖代謝が低下している状態では、糖質由来のオキサロ酢酸が少なくなっており、脂肪由来のアセチルCoが増加するため、肝臓内でケトン体が生成する。よって、ケトン体はTCA回路でオキサロ酢酸が欠乏した場合に生成される。 3 誤 糖尿病では、糖代謝が低下するため、ケトン体は増加する。 4 正 脳は、通常、グルコースからエネルギーを得るが、グルコースが利用できない状態では、ケトン体がエネルギー源となることがある。 Twitter Share Pocket Hatena LINE コピーする -第89回薬剤師国家試験