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第110回薬剤師国家試験 問57

デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレシス(注)施行中の患者への投与禁忌薬はどれか。1つ選べ。
(注)アフェレシス:生体内のさまざまな血液関連因子を分離・除去して治療する広範囲な医療技術の総称

  1. ニフェジピン
  2. エナラプリルマレイン酸塩
  3. イルベサルタン
  4. エサキセレノン
  5. ドキサゾシンメシル酸塩
解答・解説

解答
2

解説
デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレシス施行中の患者への投与禁忌薬は、エナラプリルマレイン酸塩である。
エナラプリルマレイン酸塩は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害することで、アンジオテンシンⅡの生成を抑制するほか、ブラジキニン分解酵素(キニナーゼⅡ)も阻害し、ブラジキニンの分解を抑制する。一方、デキストラン硫酸固定化セルロースは、表面が陰性に帯電しており、血液と接触することでカリクレインキニン系が活性化し、ブラジキニンの生成を促進する。
これらのことから、デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレシス施行中の患者へエナラプリルマレイン酸を投与すると、ブラジキニンの蓄積による血圧低下、嘔吐、腹痛、しびれ、熱感が現れるため、エナラプリルマレイン酸塩は、アフェレシス中の患者に投与禁忌とされている。

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