62歳女性。卵巣がんにて、パクリタキセル、カルボプラチン、ベバシズマブを用いた外来化学療法を施行している。ベバシズマブの重大な副作用である血栓塞栓症の早期発見のために、患者に伝えておくべき自覚症状として適切なのはどれか。2つ選べ。
- 口渇
- 息苦しさ
- 黒色便
- 胸の痛み
- 味覚障害

62歳女性。卵巣がんにて、パクリタキセル、カルボプラチン、ベバシズマブを用いた外来化学療法を施行している。ベバシズマブの重大な副作用である血栓塞栓症の早期発見のために、患者に伝えておくべき自覚症状として適切なのはどれか。2つ選べ。
解答
2、4
解説
ベバシズマブは、血管内皮増殖因子(VEGF)に対するヒト化モノクローナル抗体であり、腫瘍への血流供給を抑制することで抗腫瘍効果を示す。一方で、血管新生の抑制に起因する重大な副作用がいくつか報告されている。
【主な重大な副作用】
・高血圧性脳症、高血圧クリーゼ
・血栓塞栓症(動脈・静脈)
・出血(鼻出血、消化管出血など)
・消化管穿孔
・創傷治癒遅延
【血栓塞栓症に関連する自覚症状】
血栓塞栓症(例:肺塞栓症、心筋梗塞、脳梗塞)では、以下のような警戒すべき初期症状が現れる
・呼吸困難(息苦しさ)
・胸部の痛み
・手足のしびれ・麻痺
・構音障害(言葉が出にくい)
・四肢の腫脹や疼痛
これらは、血栓塞栓症の早期徴候として非常に重要であり、早期の医療機関受診につなげるために、患者にあらかじめ説明しておく必要がある。したがって、選択肢2「息苦しさ」、および選択肢4「胸の痛み」は、血栓塞栓症の早期症状として最も適切である。
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