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第110回薬剤師国家試験 問342

75歳男性。50歳の娘と二人暮らし。娘は、父親の服薬管理の相談のため、薬局を訪れた。父親は、当該薬局で一包化調剤を受け、13回、朝食後、夕食後、就寝前に処方薬を服用している。父親は、自分でお薬カレンダーに服用時点ごとに一包化した薬剤をセットしているが、加齢黄斑変性による視力の低下が原因で、最近、セットミスが多くなってきた。父親は身の回りのことを自分でしたいとの願望が強く、娘は、このまま父親に薬剤管理をさせてあげたいと思っている。娘が持参した一包化された薬剤は以下のとおりである。なお、父親に特に物忘れはなく、日常生活にも問題はない。

薬剤師が、薬剤のセットミスを軽減できる可能性が高い工夫はどれか。2選べ。

  1. 氏名の印字を「ひらがな」に変更する。
  2. 用法のフォントサイズを大きくする。
  3. 効能・効果の印字を追加する。
  4. 服用時点ごとに色分けしたラインを分包紙に引く。
  5. 合剤への処方変更を医師に提案し、服用剤数を減らす。
解答・解説

解答
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解説
本問は、加齢に伴う視力低下によって薬剤のセットミスが多発している患者に対し、一包化薬の表示内容の工夫によって服薬支援を強化する方法を問うものである。本患者は加齢黄斑変性により視認性が低下し、特に同じ用法(朝食後など)の薬が重複してセットされる誤りが生じている。服用時点の識別を容易にするためには、表示の視認性を高めることが重要である。

1 誤
氏名を「ひらがな」に変更しても、服用タイミングの識別には直結しない。

2 正
視力低下がある場合、フォントサイズを大きくすることで視認性が向上し、用法(朝食後・夕食後・就寝前など)の見間違い防止につながる。

3 誤
効能・効果の記載は、服用タイミングの識別には直結しない。

4 正
服用時点ごとに色分けすることは、視覚的に服用時点を直感的に判別できるため、視力が低下していてもミスを防ぐ有効な対策となる。

5 誤
合剤に変更すれば薬の錠数は減らせるが、服用のタイミングは変わらない。そのため、薬カレンダーにセットする袋の数は同じであり、セットミスの減少にはつながりにくい。

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