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第110回薬剤師国家試験 問333

60歳男性。がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の再発食道扁平上皮がんに対してペムブロリズマブ200mgの点滴静注が開始された。4コース目施行時に担当薬剤師は患者から3コース終了頃から倦怠感と寒気が続いているとの訴えを聴取した。また看護記録から体重増加と心拍42/分で徐脈であることを確認した。担当薬剤師は以下の医薬品リスク管理計画を参考に有害事象発現の可能性を考えた。身体所見と看護記録に基づいて薬剤師から提案する検査項目はどれか。1つ選べ。

  1. プロラクチン
  2. テストステロン
  3. 抗利尿ホルモン
  4. ゴナドトロピン
  5. 甲状腺刺激ホルモン
解答・解説

解答
5

解説
ペムブロリズマブは、免疫チェックポイント阻害薬(PD-1阻害薬)であり、T細胞によるがん細胞への攻撃を促進する一方で、免疫が過剰に働くことで正常組織に対しても免疫反応を引き起こし、副作用が生じることがある。これらの副作用は自己免疫疾患に類似した症状を呈し、「免疫関連有害事象」と呼ばれている。

代表的な免疫関連有害事象には以下がある
・間質性肺炎
・重度の下痢・大腸炎
・甲状腺機能障害
・副腎機能低下
1型糖尿病
・筋炎、重症筋無力症

本症例では、倦怠感、寒気、体重増加、心拍数42/分と徐脈が確認されており、これは典型的な甲状腺機能低下症の症状である。甲状腺ホルモン(T3T4)の低下により、負のフィードバック機構が働き、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の上昇が認められる。そのため、薬剤師が提案すべき検査項目としてTSHの測定が適切である。

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