第110回薬剤師国家試験　問316〜317

解答
1、3

解説
１　正
メチルフェニデート塩酸徐放錠（以下：本剤）は、徐放性製剤であるため、かまずに服用する必要がある。

２　誤
本剤は徐放性製剤であり、外殻（マトリックス）がそのまま便に排出されることがある。
服用後に錠剤の殻が便に見られることがあるが、薬の成分は適切に吸収されているため、問題はないことを説明する必要がある。

３　正
本剤は、副作用として食欲低下を引き起こすことがあるため、体重減少などが認められた際には相談するよう保護者に促す必要がある。

４　誤
飲み忘れた場合は、気づいた時点で可能な限り早く1回分を服用するが、午後に服用すると不眠等の副作用リスクがあるため、原則として午後の服用は避けるべきである。

５　誤
本剤には、依存性のリスクがあるため、「用法・用量を守っていれば依存性は出現しない」と指導するのは不適切である。

解答
3、5

解説
本処方薬であるメチルフェニデート塩酸徐放錠は、第一種向精神薬に分類され、取り扱いや管理が厳密に定められている。

１　誤
向精神薬を自己の治療目的で海外に携帯する場合、一定量以内であれば地方厚生局長の許可は不要である。

２　誤
向精神薬を廃棄する場合、都道府県知事に届出する必要はない。

３　正
向精神薬の広告は、医薬関係者を対象とした広告を除き、禁止されている。

４　誤
向精神薬は、向精神薬に関する業務に従事する者が実地に盗難の防止について必要な注意をする場合を除き、かぎをかけた施設内に保管する必要がある。

５　正
本剤を取り扱う薬局や、処方を行う医師・医療機関は、あらかじめ適正流通管理システムへの登録が必要である。この登録制度により、処方・流通・販売が一元的に管理されている。