75歳男性。慢性胃炎の既往がある。2年前に脳梗塞を発症し、それ以来、処方1及び処方2の薬剤を継続的に服用している。
咳と嗄声が続き、血痰を認めたため近医を受診し、胸部X線で右肺腫瘤を指摘された。総合病院呼吸器内科を紹介受診し、入院して精査した結果、StageⅣBの非小細胞肺がん(腺がん)と診断された。遺伝子検査も実施され、EGFR遺伝子変異陽性と判明した。パフォーマンスステータス(PS)1。患者に喫煙歴はなく、機会飲酒のみ。外来通院治療を強く希望したため、ゲフィチニブ(処方3)での治療を開始することになり、処方1、処方2とも総合病院で一括して処方することになった。
状態が安定したら退院し、処方1〜3の薬剤での治療を継続する予定である。
問302(病態・薬物治療)
この患者の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 肺野部に発生することが多いがんである。
- 発症前と同じ日常生活が制限なく行える。
- 他臓器に遠隔転移している。
- 手術での根治切除が可能である。
- 腫瘍マーカーとして、SCC抗原(squamous cell carcinoma related antigen)が用いられる。

問303(実務)
処方3の開始にあたり、病棟薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ゲフィチニブによる手足症候群を予防するため、レボフロキサシンの追加を医師に提案する。
- レバミピドをオメプラゾールに変更するよう医師に処方提案する。
- プロトロンビン時間が延長する可能性があるので、ワルファリンカリウムの用量調節を医師に提案する。
- 退院後の服薬時に息切れ、呼吸困難、発熱などの症状が現れたらすぐに受診するよう、患者に説明する。
- ゲフィチニブの効果を減弱させる可能性があるため、グレープフルーツジュースの摂取を避けるよう患者に説明する。
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