65歳男性。帯状疱疹の予防のためにワクチン接種を希望した。男性は、かかりつけの病院で接種可能かを確認し、接種の予約を行った。接種の当日は平熱で、問診の結果からワクチン接種が可能と判定され、以下のワクチン製剤の1回目の接種を行うことになった。
注:乾燥組換え帯状疱疹ワクチン。水痘帯状疱疹ウイルス糖タンパク質E抗原を有効成分とする凍結乾燥製剤と専用溶解用液からなる。前者は、添加物として精製白糖及びポリソルベート80等を含有する。後者は、グラム陰性菌Salmonella minnesota R595株のリポ多糖の非毒性型誘導体である3-脱アシル化-4′-モノホスホリルリピッドAと精製キラヤサポニンを包含するリポソームからなるアジュバントを含有する。
問282(薬剤)
このワクチン製剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 専用溶解用液中の脂質粒子は、内水層を有する。
- ポリソルベート80は、微生物の発育を阻止する目的で添加されている。
- 精製白糖は、無痛化を目的に添加されている。
- 凍結を避けて、2~8°Cで保存する。
- 血液中に移行後、製剤が徐々に分解されて有効成分を放出する。

問283(実務)
ワクチン接種後、被接種者が待合室に向かう途中で気分が悪いとその場に倒れこんだ。その場に居合わせた薬剤師と看護師は、待機している医師に対応を要請した。患者は呼びかけには反応するが、頻脈と蒼白が観察された。駆けつけた医師は被接種者の症状からアナフィラキシーを疑ったため、その場に居合わせた薬剤師と看護師とともにチームとして患者に対応した。
この患者に対する迅速な対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 患者を仰臥位に保持
- アドレナリンの静脈内投与
- 急速輸液に使用する等張電解質液の準備
- 二相性反応予防に使用する抗ヒスタミン薬の準備
- 胸骨圧迫と人工呼吸の実施
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