疾病予防とその目的及び具体例の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答
2、6
解説
疾患がまだ自覚されていない「感受性期」では一次予防が重要である。これは健康な状態を維持・促進し、病気の発症を未然に防ぐことを目的とする。症状が現れ、診断可能な状態に近づく「潜在期」や「早期臨床期」では二次予防が行われ、病気を早期に発見し、進行を防ぐための治療が中心となる。病気を発症した後の「回復期」や「障害期」では三次予防が用いられ、後遺症や再発を防ぎながら生活機能の維持・回復を図ることが目的となる。
1 誤
一次予防には、健康全般を高める取り組み(健康増進)と、特定の病気を未然に防ぐ措置(特異的予防)がある。なお、新生児に対する病気のスクリーニング検査は、病気の早期発見・早期対応が目的であり、二次予防とされる。
2 正
健康を維持・向上させることは一次予防の柱のひとつであり、その具体例として、衛生教育、栄養・食習慣に関する指導、公衆衛生設備(上下水道など)の整備、住環境の改善などが挙げられる。
3 誤
病気を早い段階で見つけ、速やかに治療を行うことは二次予防にあたる。一方、ワクチンなどによる予防接種は、病気そのものの発症を防ぐものであり、一次予防に分類される。
4 誤
デイサービスは、病気や障害により機能が低下した人が、介護やリハビリを受けながら生活機能を維持・改善する場であり、三次予防に分類される。これは、早期発見・治療を主眼とする二次予防とは異なる。
5 誤
三次予防は、病気により損なわれた機能を補ったり、能力のさらなる低下を防止したりすることを目的とする。一方で、職場での防護具使用は、病気の発生そのものを防ぐ措置であり、一次予防に該当する。
6 正
リハビリテーションは、身体機能や日常生活能力が低下した人に対して、社会復帰や自立生活を目指して機能の改善・維持を行う支援であり、三次予防の典型例である。
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