以下の漢方処方が示す作用と、それに主に関与する構成生薬との組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
解答・解説
解答
4
解説
1 正しい
六君子湯は、胃腸虚弱を改善する代表的な補気剤である。食欲不振、胃炎、胃アトニー、胃下垂、嘔吐、疲労倦怠感などに用いられる。構成生薬のニンジン(人参)は、補気作用を担っており、処方の中心的な役割を果たしている。
2 正しい
桂枝茯苓丸は、瘀血(おけつ)による月経不順や子宮内膜炎、更年期障害、冷え症、痔疾患、打撲などに使用される処方である。構成生薬のトウニン(桃仁)は、駆瘀血作用を発揮し、血の巡りを改善する働きがある。
3 正しい
加味逍遥散は、体質虚弱な女性で、疲れやすく精神的に不安定な者に用いられる漢方薬である。月経不順、更年期障害、冷え症などの症状に対応する。構成生薬のトウキ(当帰)は、補血作用を担い、血虚を改善する働きを持つ。
4 誤っている
葛根湯は、比較的体力のある人で、頭痛・発熱・悪寒・肩こりなどを伴う風邪の初期に適応される。構成生薬のシャクヤク(芍薬)は、筋肉の緊張や痛みを和らげる作用はあるものの、発汗作用には関与しない。発汗作用を担っているのは、マオウ(麻黄)およびケイヒ(桂皮)である。
5 正しい
五苓散は、水分代謝の異常による口渇、浮腫、二日酔い、下痢、尿量減少、めまいなどに適応される処方である。構成生薬のブクリョウ(茯苓)は、利水・利尿作用を担っており、水滞(体内の水の偏在)を改善する重要な生薬である。
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