第110回薬剤師国家試験　問1　ダニエル電池

解答
3

解説
設問の電池は、Zn板、Cu板がそれぞれZnSO₄溶液、CuSO₄溶液に浸されており、導線と多孔性隔壁で接続されていることから、ダニエル電池である。ダニエル電池では、負極（アノード）がZn板、正極（カソード）がCu板であり、負極、正極では下記の反応が起こる。

負極での酸化反応：Zn→Zn^2＋＋2e^－
正極での還元反応：Cu^2＋＋2e^－→Cu

このとき、電子は導線を通じて負極から正極へ流れる。

標準起電力（E°）は、下記の式でも求めることができる。

標準起電力（E°）＝正極の標準電極電位（E°_正極）－負極の標準電極電位（E°_負極）

ZnとCuの半電池の標準電極電位はそれぞれ－0.763Vと＋0.337Vであることから、ダニエル電池の標準起電力を下記のように求めることができる。

標準起電力（E°）＝＋0.337V－（－0.763V）＝＋1.100V