ヒ素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 無機ヒ素化合物の毒性は、5価のヒ素の方が、3価のヒ素より強い。
- アルセノベタインは、無機ヒ素と比べて急性毒性が強い。
- ヒ素及び無機ヒ素化合物は、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類されている。
- 無機ヒ素化合物による急性中毒時には、解毒薬として亜硝酸アミルが用いられる。
- 無機ヒ素化合物は、地殻中に広く分布し、汚染された地下水の飲用による健康被害が世界的に問題となっている。
ヒ素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答
3、5
解説
1 誤
無機ヒ素化合物の毒性は、3価のヒ素(As3+:亜ヒ酸)の方が、5価のヒ素(As5+:ヒ酸)より強い。
2 誤
アルセノベタインは、海産魚介類や海藻中に含有する有機ヒ素であり、無機ヒ素と比べて急性毒性が低い。なお、アルセノベタインは、ヒト体内で合成することはできない。
3 正
ヒ素及び無機ヒ素化合物は、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類されており、皮膚がん、肺がんの原因となる。
4 誤
無機ヒ素化合物による急性中毒時には、解毒薬としてジメルカプロールが用いられる。なお、亜硝酸アミルは、シアン中毒の解毒に用いられる。
5 正
海外では、自然に存在するヒ素や産業活動で排泄されたヒ素が地殻中に広く分布しており、汚染された地下水の飲用による健康被害が問題となっている。
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