放射線と物質の相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 放射線は粒子放射線と電磁波放射線とに分類される。
- α線は物質を通過するときに物質中の原子と相互作用し、飛跡がジグザグ状になる。
- β-線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して直線的に減少する。
- 電離作用の強さは、α線<β-線<γ線の順である。
- γ線は物質と相互作用するとき、光電効果、コンプトン効果又は電子対生成によりエネルギーを失う。

放射線と物質の相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答
1、5
解説
1 正
放射線は、粒子放射線と電磁波放射線に分類される。α線、β-線、β+線は粒子放射線(質量を有する粒子の流れ)に分類され、γ線、X線は電磁波放射線(質量を有しないエネルギーの波)に分類される。
2 誤
α線は、ヘリウム原子核であり、軌道電子より電荷や質量が大きいため、物質を通過する際、飛程が直線となる。なお、物質を通過するときに物質中の原子と相互作用し、飛跡がジグザグ状になるのは、β-線である。
3 誤
β-線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して指数関数的に減少する。
4 誤
電離作用の強さは、α線>β-線>γ線の順である。
5 正
γ線は物質と相互作用するとき、光電効果(低エネルギーのγ線が軌道電子の1つに全エネルギーを与えて、光電子を放出する現象)、コンプトン効果(中エネルギーのγ線が電子に衝突することでエネルギーの一部の電子を与えて、電子を放出するとともに、自身はエネルギーの小さいγ線となり入射方向と異なる方向に散乱される現象)又は電子対生成(高エネルギーのγ線が原子核の近くを通過する際、軌道電子以外に一対の陽電子、陰電子が生成し、γ線自身は消滅する現象)によりエネルギーを失う。
コメント