17歳男性。病的骨折を起こして精査の中で左脛骨肉腫と診断された。左膝関節離断術の後、翌月からメトトレキサート12g/m2/日、ドキソルビシン30mg/m2/日、シスプラチン120mg/m2/日による術後化学療法が開始された(全投与期間16週間、9コースから成るMAP法)。入院時の検査値、持参した一般用医薬品は以下のとおりであった。
(入院時の検査値)
白血球数 5,300/μL、好中球数 3,000/μL、Hb 12.1g/dL、血小板数 251×103/μL、
AST 21IU/L、ALT 22IU/L、血清クレアチニン値 0.82mg/dL、eGFR107mL/min/1.73m2
(入院時に持参した一般用医薬品)
ファモチジン錠、ロキソプロフェン錠、ポピドンヨードうがい薬、酸化マグネシウム錠
問266(薬剤)
この患者において、術後化学療法の施行中も、持参した一般用医薬品の服用を継続した場合、発現する可能性が最も高い薬物間相互作用はどれか。1つ選べ。
- ドキソルビシンが、UGT1A1を介したメトトレキサートのポリグルタミン酸化を阻害する。
- ファモチジンが、ジヒドロ葉酸還元酵素を介したメトトレキサートの代謝を阻害する。
- シスプラチンが、尿細管における有機カチオントランスポーターOCT2を介したメトトレキサートの再吸収を阻害する。
- 酸化マグネシウムが、P–糖タンパク質を介したメトトレキサートの腸肝循環を阻害する。
- ロキソプロフェンが、尿細管における有機アニオントランスポーターOAT3を介したメトトレキサートの分泌を阻害する。
問267(実務)
この患者に対して、第1週目(1コース目)のメトトレキサートを6時間単独静脈内投与することになった。医療チーム内で薬剤師が確認する事項として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- メトトレキサート初回投与翌日より葉酸錠の内服を開始すること
- メトトレキサート初回投与終了後よりホリナートカルシウム注を静注すること
- メトトレキサート投与前日よりアセタゾラミド錠を内服していること
- メトトレキサート投与翌日より24時間おきに3日間治療薬物モニタリング(TDM)を実施すること
- メトトレキサート投与前日より持参したロキソプロフェン錠を使用中止すること
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