解答
1、4
解説
等電点(pI)とは、両性化合物(アミノ酸など)の実効電荷が0となるpHである。構造とpKaよりアミノ酸A、B、Cの等電点を下記のように推測することができる。
【アミノ酸A】
pKa1=2.36、pKa2=9.60であることから、pHの上昇に伴ってα炭素に結合しているカルボキシ基からプロトン(H+)が遊離し、次にアミノ基からプロトン(H+)が遊離するため、pKa1=2.36とpKa2=9.60の中間のpHでアミノ酸Aの実効電荷が0となる。このことから、アミノ酸Aの等電点は約5.98となる。
【アミノ酸B】
pKa1=2.17、pKa2=9.04、pKR=12.48であることから、pHの上昇に伴ってα炭素に結合しているカルボキシ基からプロトン(H+)が遊離し、次にα炭素に結合しているアミノ基からプロトン(H+)が遊離する。続いて、側鎖部分のグアニジノ基からプロトン(H+)が遊離するため、pKa2=9.04とpKR=12.48の中間のpHでアミノ酸Bの実効電荷が0となる。このことから、アミノ酸Bの等電点は約10.76となる。
【アミノ酸C】
pKa1=2.19、pKa2=9.67、pKR=4.25であることから、pHの上昇に伴ってα炭素に結合しているカルボキシ基からプロトン(H+)が遊離し、次に側鎖部分のカルボキシ基からプロトン(H+)が遊離する。続いて、α炭素に結合しているアミノ基からプロトン(H+)が遊離するため、pKa1=2.19とpKR=4.25の中間のpHでアミノ酸Cの実効電荷が0となる。このことから、アミノ酸Cの等電点は約3.22となる。
1 正
2 誤
アミノ酸BのpIは、約10.76である。
3 誤
等電点より低いpHでは、アミノ酸は正電荷を持つ。そのため、アミノ酸A(pI:5.98)は、pH2.33の緩衝液中では正電荷を持つ。
4 正
等電点より低いpHでは、アミノ酸は正電荷を持つ。 そのため、アミノ酸B(pI:10.76)は、pH5.61の緩衝液中では正電荷を持つ。
5 誤
等電点では、アミノ酸の実効電荷は0となる。そのため、アミノ酸C(pI:3.22)は、pH3.22の緩衝液中では実効電荷が0となる。
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