72歳女性。読書中に胸部の違和感が出現し、その直後に目の前が真っ暗になり5秒間程度意識を失った。翌日も、30分に1回くらいの間隔で同様の数秒間の失神発作を繰り返したため、病院に救急搬送された。
搬送時の所見
血圧 136/78 mmHg、心拍数70拍/分、赤血球数458×104/µL、Hb 12.9g/dL、Ht 45%、白血球数 7,600/µL、血小板数16×104/µL、AST 32 IU/L、ALT 26 IU/L、CK(クレアチンキナーゼ)112 IU/L、血清クレアチニン値 0.6 mg/dL、血糖値 98 mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.1mEq/L
意識消失時に心電図モニターに異常波形(下図)を認め、その際脈拍を触知しなかった。非発作時は意識清明で、心音や呼吸音に異常はない。
問 288(病態・薬物治療)
この患者の失神発作が起こった機序として、考えられるのはどれか。1つ選べ。
- 不整脈により、生じた血栓が脳血流を障害した。
- 不整脈により、生じた血栓が冠血流を障害した。
- 不整脈により、心拍出量が低下した。
- 心筋収縮力の低下により、心拍出量が低下した。
- 消化管出血により、血圧が低下した。
問 289(実務)
家族から、最近、処方薬が変更になったとの情報を得た。そのため、変更された薬物により意識消失が引き起こされた可能性があると考えた。現在、患者は以下の薬剤を服用している。最も疑わしいのはどれか。1つ選べ。
- シベンゾリン
- カルベジロール
- ワルファリン
- フロセミド
- ランソプラゾール
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