35歳男性。身長170cm、体重81kg。最近、体重が増加して運動不足を痛感していた。今回、会社の健康診断の後に、生活習慣病の予防のために運動に加えて特定保健用食品を利用しようと思い、健康サポート薬局の薬剤師に相談した。
この男性が持参した検査値は以下のとおりである。
(検査値)
収縮期血圧135mmHg、拡張期血圧85mmHg、HDL–C 60mg/dL、LDL–C 120mg/dL、
TG 110mg/dL、HbA1c 5.0%(NGSP値)
問240(実務)
検査結果から、この男性に適すると考えられる特定保健用食品の関与成分はどれか。1つ選べ。
- 茶カテキン
- グルコシルセラミド
- 大豆イソフラボン
- キシリトール
- CPP(カデインホスホペプチド)
解答・解説
解答
1
解説
健康診断の検査値の基準値(収縮期血圧:129mmHg以下、拡張期血圧:84mmHg以下、HDL-C:40mg/dL以下、LDL-C:60〜119mg/dL、TG:30〜149mg/dL、HbA1c 5.5%(NGSP値)以下)、より、本患者は収縮期血圧、拡張期血圧が少し高く、また、BMIが81 kg÷1.7 m÷1.7≒28であり、肥満である。
1 正
茶カテキンは、脂肪分解と消費に働く酵素活性を高めることで内臓脂肪を減らす働きを有するため、この男性に適している。
2 誤
グルコシルセラミドは、肌の水分を逃しにくくする働きを有するため、肌の乾燥や肌荒れが気になる方に適している。
3 誤
大豆イソフラボンは、骨密度、骨強度を高める働きを有するため、骨の健康が気になる方に適している。
4 誤
キシリトールは、歯の再石灰化を増強する働きを有するため、歯を丈夫で健康に保ちたい方に適している。
5 誤
カデインホスホペプチドは、カルシウムを吸収しやすい状態にする働きを有するため、ミネラルの吸収を高くしたい方に適している。
問241(衛生)
この男性からの相談に対応するために、薬局内で保健機能食品等に関する勉強会を行うことになった。次の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 栄養機能食品には、疾病リスクの低減、疾病の予防に関する表示が認められている。
- 特定保健用食品は、保健機能食品であり、特別用途食品でもある。
- 機能性表示食品は、喫食習慣や既存情報により安全性が説明できれば、安全性試験を実施しなくてもよい。
- 難消化性デキストリンを含む食品が特定保健用食品として審査される場合は、個別に安全性や有効性の審査を受けることなく、規格基準への適合性が審査される。
- いわゆる「健康食品」は一般食品であり、保健機能に関する法令上の明確な定義がない。
解答・解説
解答
1
解説
1 誤っている
栄養機能食品には、疾病リスクの低減、疾病の予防に関する表示が認められていない。なお、疾病リスクの低減表示が認められているのは、特定保健用食品(疾病リスク低減表示)である。
2 正しい
特定保健用食品は、保健機能食品と特別用途食品に分類される。
3 正しい
機能性表示食品は、「今までに広く食べられていたか(食経験)」、「安全性に関する既存情報の調査」、「動物や人を用いての安全性試験の実施」により安全性が説明できれば、安全性試験を実施しなくてもよい。
4 正しい
特定保健用食品には、科学的根拠が蓄積されている関与成分(食物繊維、オリゴ糖、難消化性デキストリン)について、個別に安全性や有効性の審査を受けることなく規格基準に適合するか否かの審査で許可を決定する「特別保健用食品(規格基準型)」がある。
5 正しい
健康食品は一般食品であり、法律上の定義はない。
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