62歳男性。進行性下行結腸がん手術後、テガフール・ウラシル配合剤を内服していた。その後、脾転移、腹膜播種が認められたため、FOLFIRI(ロイコボリン、5–FU、イリノテカン併用)+セツキシマブ療法を行うことになった。化学療法実施に先立ち、以下の検査を行った。
その結果、①KRASのエクソン2(コドン12,13)の変異のホモ接合型及び②UGT1A1*28のホモ接合型であった。
問238(衛生)
この患者の遺伝子検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- RAS遺伝子はがん抑制遺伝子である。
- RAS遺伝子に①の変異があると、細胞増殖シグナルの不活性化が抑制される。
- RAS遺伝子産物はアポトーシスを誘導する。
- UGT1A1遺伝子に②の変異があると、UGT1A1遺伝子産物の量が少なくなる。
- UGT1A1遺伝子に②の変異があると、イリノテカンが加水分解されにくくなる。
問239(実務)
遺伝子検査を実施する理由について、患者から質問があり、薬剤師が回答することになった。この遺伝子検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- RAS遺伝子に①の変異があると、セツキシマブの有効性が低下する。
- RAS遺伝子に①の変異があると、5–FUの有効性が向上する。
- RAS遺伝子に①の変異があると、イリノテカンによる下痢が起こりやすくなる。
- UGT1A1遺伝子に②の変異があると、5–FUによる骨髄抑制が起こりやすくなる。
- UGT1A1遺伝子に②の変異があると、イリノテカンによる骨髄抑制が起こりやすくなる。
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