化合物Aの反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- SO3が求電子剤として作用する置換反応である。
- アの部分は共鳴効果による電子求引性を示す。
- アの部分は誘起効果による電子供与性を示す。
- アの部分のかさ高さのため、オルト置換体が得られにくい。
- Aの代わりにベンゼンを基質とすると反応は遅くなる。
化合物Aの反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答
4、5
解説
1 誤
本反応(芳香族化合物に対する混酸(濃硝酸−濃硫酸混液)の反応)は、+NO2(ニトロニウムイオン)が求電子剤として作用する求電子配置反応である。
2 誤
窒素は炭素より電気陰性度が大きいため、アの部分は誘起効果により電子求引性を示す。また、窒素部分に非共有電子対を有するため、アの部分は共鳴効果による電子供与性を示す。アの部分は、共鳴効果の方が現れやすいため、共鳴効果による電子供与性を示す。
3 誤
解説2参照
4 正
アの部分の共鳴効果によりベンゼン環のオルト位とパラ位に電子を供与するため、オルト−パラ配向性を示す。ただ、アの部分のかさ高さによりオルト位で反応が起こりにくく、オルト置換体が得られにくい。
5 正
アの部分の共鳴効果によりベンゼン環の電子密度が高まるため、反応性が高まる。
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