37 歳男性。身長 170 cm 体重 62 kg。食道狭窄及び消化管出血のため絶食となり、高カロリー輸液の投与が開始された。他に投与されている薬剤はない。
この処方を監査した薬剤師が、医師に照会すべき内容として適切なのはどれか。 1つ選べ。
- 投与水分量の不足
- 味覚障害の発症
- 投与ナトリウム量の不足
- 偽アルドステロン症の発症
- 乳酸アシドーシスの発症

37 歳男性。身長 170 cm 体重 62 kg。食道狭窄及び消化管出血のため絶食となり、高カロリー輸液の投与が開始された。他に投与されている薬剤はない。
この処方を監査した薬剤師が、医師に照会すべき内容として適切なのはどれか。 1つ選べ。
解答 解説 2 誤 3 正 4 誤 5 誤解答・解説
3
1 誤
糞便中の水分量と代謝水はほぼ等しいため、尿量と不感蒸泄の和が必要な水分量となる(1日の体重あたりに必要な水分量:30〜35 mL/kg/日)。本患者の体重は62 kgであることから、本患者に必要な1日の水分量は約2000 mLとなる。本患者は処方1)、処方2)により2,100mLの水分が補給されているため、投与水分量は適切であると考えられる。
高カロリー輸液に亜鉛が含まれていないと、亜鉛不足による味覚障害を誘発する可能性がある。本処方には、処方1)に高カロリー輸液用微量元素製剤が含まれているため、亜鉛不足による味覚障害を発症する可能性は低いと考えられる。
高カロリー輸液療法における1日の体重あたりのナトリウムの投与量のめやすは、1〜2 mEq/kgとされている。本患者の体重は62 kgであることから、本患者に必要な1日のナトリウム量は約60〜120 mEqとなる。本患者は、総合アミノ酸製剤により1.20 mEqのナトリウムが補給されているため、ナトリウム量は不足していると考えられる。
偽アルドステロン症は、主にカンゾウ(有効成分:グリチルリチン)により誘発される。本処方には、グリチルリチンは含有されていないため、偽アルドステロン症を発症する可能性は低いと考えられる。
高カロリー輸液にビタミンB1が含まれていないと、乳酸アシドーシスを発症する。本処方には、処方1)に高カロリー輸液用総合ビタミン剤が含まれているため、ビタミンB1不足による乳酸アシドーシスを発症する可能性は低いと考えられる。
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